開会の挨拶

◎蔵前会長 ご挨拶

小川先生のお話 小川先生は初代研究会発足者

平成最期の年に150回という記念式典を開催できることに感謝している。

昭和45年ごろ発足された当時の先生方はお亡くなりになられ、当時のことを知る手立ても少なくなっている。会則:新旧獣医学知識を学ぶ、相互に切磋琢磨する、農家に還元する。

開業獣医師23名、製薬会社の先生方、大学の先生方を中心に取り行ってきました。

今日、150回を迎える事ができ、特に、顧問として、宮崎大学と鹿児島大学の先生がたにご支援いただき、感謝しています。

会長挨拶

◎栫先生

先生がたにつきましては、各地域でのご指導、ご協力いただいている事に、本当に感謝しています。

今回第150回の研究会を迎えられた事を、県獣医師会を代表し、御礼申し上げたいと思います。

県の内外から、獣医師の先生方を招請し、県内外の畜産の知識豊穣に貢献されてこられました歴代の会長、会員の方々に敬意を評したいと思います。

始め、私は前田家畜保険衛生所に勤務し、現在では行われていない、ブルセラの検査や、豚コレラのワクチン接種を行なって参りました。

そんな中、県外の産業獣医師の先生方を中心に、勉強会を行なわれているとお聞きしたのが始まりだったと思います。

畜産をもとに算出される

昨年12月のTPPイレブンや今年2月のEPA協定(EUとの)など、国際的な協定が近年結ばれており、それぞれへの対策が行われ、国際化が進んでいる。これまで日本と海外では、アメリカとの間で結ばれた協定があり、近年結ばれている協定は、その時以上に大きな影響を持つと考えている。家畜衛生基準をこれまで以上に遵守し、指導していく必要があると感じています。

来賓挨拶

◎鹿島先生

祝辞

先生方につきましては、日々、県内の家畜衛生に貢献し

肥育素牛の高騰、飼料の高騰、担い手不足など課題が出てきている。

日米物品貿易協定、TPPイレブンなど、国内への農家への圧迫が大きくなってきている。

家畜伝染病については豚コレラについて、発生が続いており、外国人観光客の増加など、国際的な交流の増えた現在、感染症流行リスクは増えてきている。先生方におかれましては、臨床症状の発見、報告をしっかり行い感染症流行の予防をお願いしたいと考えています。

◎浜名先生

臨研が発足したのは50年前、現在6代目の会長、感慨深い。70年代後半、臨研にご参加されていた先生との繋がりが、先生ご自身と臨研との出逢い。数多くの先生方、製薬会社などにお勤めの先生方のご活躍、特に、世界レベルの新知見のご紹介に感謝している。

ご自身の研究に対しては、異常子牛の研究では、牛の先天異常をまとめることができ、のべ3000頭以上の症例を集めることができた。研究費などをつぎ込み、8000円という安価な値段で発売することができた。先生方につきましては、是非ご使用していただきたいと考えているとともに、ご協力いただいた先生方におかれましては、御礼を申し上げたい限りです。

世界牛病学会については、多くの先生方にご参加いただき本当にありがとうございました。

台湾大学との協力では、臨研の先生方18人の先生方に携わっていただき感謝しています。

先生ご自身の研究の多くは、臨研に依るところが多く、本当に感謝していますと。

 

特別講演

◎産業動物疾病における画像診断支援

田浦保穂先生  獣医外科学 教授

浜名先生のもと、臨研でお世話になった。奇形と画像診断の関係は深い。

繁殖にいながら、外科や内科など、様々な分野に携わることになった。

インドネシアは獣医学に資金をつぎ込み、急成長中。

鹿児島大学の三浦先生と共同して研究している。

ノーベル賞を受賞された下村先生の話…今朝の新聞から紹介。下村先生は田浦先生とは地元が一緒で、島原の出身である。下村先生ご自身の戦争の経験から、自分のしたいことをしようというところに根ざしていて、長崎大薬学部、名古屋大学。そうしてルシフェリンを発見。GFPが蛋白であったことは幸運であり、後でくっつけてトレースすることで光るマウスなどを作れる。GFPによって組織の画像診断の裏付けができる。

田浦先生のご経歴のなかで一番大きかったのは、宮崎大学に入学できたこと。そこで、浜名先生のもと牛のアカバネ病について研究を行い、豚の胃潰瘍などについて研究を行った。とくにアカバネ病は浜名先生のもと、鹿児島臨研でも深く研究なさった。東京にいた頃、小動物も大動物も研究できたが、大動物に進まれる。東京大学では、関節内の潰瘍性病変に対する画像診断などについて研究されてきた。

鹿児島大学教員のころは、引き続き、アカバネ、チュウザンなどの異常分娩について研究された。

山口大学では、CSM、馬の屈腱炎、BSE診断への挑戦などの研究を行われてきた。

47歳で学部長になられ、紆余曲折の末、全国700ある大学のうち初めて、大学間協定で、協力して始めたのが、山口大学と鹿児島大学で共同獣医学部を作った。161億円をかけてCT、MRIを導入したが、EAVEAの認証を受けており、そのために必要な動物数を保持しなければならず、たくさんの動物を診療している。

共用試験の後仮免から 参加型臨床実習。はじめはモデルを利用し、実際の動物に移る。学生実習では、乗馬クラブ、競馬場など、JRAなどを複数周り、馬の稟告診断や跛行診断。尿膜管遺残、繁殖、削蹄など、NOSAIとの協力のもと行なっている。鶏、豚についても、農場で出たひね豚などを用い、病理解剖や、採血などの実習などを行なっている。馬や養鶏についても参加型実習で行なっている。

産業動物の診療については、牛馬それぞれ1000頭を年間で行なっている。山口は移動時間が短い、動物が少ないのでひとつひとつゆっくり見られるのが利点。学生はローテーション。2,3人につきひとりの教員

四国に大学ができたことについては、その大学に負けないように、世界水準を互いに頑張るしかない.

画像診断支援

だまし絵を紹介し、画像診断での見え方はその時それぞれ、人それぞれであることを述べられた。

外科では3Dの感覚が大事である。機械はあるが、大本の人間の頭の構築が大事である。2次元から3次元へと考えを拡張する必要がある。骨片が隠れていたりすることがあるため複数の方向から見ていく必要がある。

MRIは撮る度に違う。CTは基準を決めれば色をつけることもできる。

・当時の限られた画像機器を使用し、農家でもできる診断方法について。

・脳空気造影、脳エコー、脳血管造影など、ボーっとした牛、脳の形成不全の牛、など、その後、経済的価値が低下する牛の診断。

・CT、MRIは、解剖せずに診断ができる。X線を利用した画像検査の限界を超えることができる。

牛の脳全構造の証明のためにはMRIガントリーに入れば撮影できる。そのうち全身撮ろうということになり、MRIを設置することになる。これは日獣会とJRAからの資金があった。また、始めは反対もあった。

・CTはX線、であり影絵と同じ。解剖学的に詳細。ただし、活動性かどうかは区別不可能。PETより、高分解能。様々な組織に対して利用可能。

・MRIは電磁波を利用。PETは陽電子。

PET/CTの役割は大きい。単純なCTだけではわからない活動性かどうかや主要の詳細な情報を得ることができる。

・頭部の疾患について、経済動物は早く診断して処置しなければならない。

頭部疾患

・形態的異常 頭蓋内腫瘤

・機能、代謝的異常

・従来の診断方法は稟告や神経学的検査、抗体検査などで、ばらつきが多く診断的価値が低いため、MRIの導入の必要性があった。

目的:子牛の脳の断層構造作成 臨床研究

・麻酔では、キシラジン鎮静、チューブ気管挿管

・T1、T2、水平抑制フレア、プロトン強調画像

・三方向から撮影:矢状面、小脳、大脳。第三脳室は特に

・磁場を崩すような、金属、磁石が存在しなければ、撮影は可能

・症状がなくても、異常な形態のものは多い。

・予後判定に利用できたのは、中耳炎、脳炎など。

・水無脳症、小脳低形成、脳膿瘍

・離乳がうまくいかず、神経症状が出る症例  : 大脳皮質部の水腫性病変

・紫外線を当てる、大脳皮質の壊死、ビタミンB1欠乏、MRIで撮ってみた。ビタミンB1欠乏などによるもの。紫外線により、肉眼的な診断を可能にすることができるのは、以前より知られている通り。

・眼窩内リンパ肉腫のご紹介…叩いたら腫れたと農家が言っていたが、血管肉腫だった。

・視神経圧迫病変、血管肉腫の診断など

・眼部超音波検査…馬での利用が多い。眼底部の検査

・混睛虫症:子虫の迷入、牛のセタリア、視神経から

・子牛の眼の症例:白内障、フィブリノーゲンが眼内に蓄積:胎児期における感染症。ステロイド、目を閉じたり開けたりで治ったことがある

●最新X線CT、MRI

リニアック(放射線治療装置)

治療に際しては、治療装置と別に、MRIで同時に見ながら治療する必要があるが、資金的に難しい。

皮膚にマーカーを書いてするしかないが、動物の皮膚は動くため難しい。

診断について

旋回牛、外耳道異物:外耳炎子牛に対して、綿棒をつっこんだら、先がそのままとれて外耳道内に残った。

ラマの頚椎損傷など様々なものを診断可能。

●CT値について

軟部組織、骨、呼吸器など、それぞれ、構成している物質が様々で、それぞれに合わせたCT値の設定が必要。

馬の喘鳴といえば、トレッドミル内視鏡や、走行路を走りながら、鼻から内視鏡を入れて見る方法などが発達している。これに対しても、MRIを利用して診断可能。

・種雄、種が取れない変形性脊椎症。椎体圧迫骨折、脊髄がへの字。

・先天性半椎症、楔状椎体:頸椎圧迫骨折などは、牛が喜んで暴れて起こる

・脊椎湾曲症

・頸髄外傷頸椎管狭窄症

・環軸亜脱臼:足などは全然異常はないが、上部神経の圧迫により、起立不能など。

・ウォブラー症候群:脊椎不安定症:脊椎すべり症:圧迫症:動的なものと静的なものが有る。

・脊髄出血病変:T1強調ですぐにわかる:血液は鉄なので、磁石を用いた撮影に対して敏感に画像に抽出される。

・X線ではわからない、脊髄浮腫と血腫の画像抽出:腎臓周囲水腫からの続発か?

・ロース芯解析 エコーで見るのをCTで。芯のサイズはわかる

・十字靱帯(ここから後半)

靭帯の評価

・T2強調 プロトン強調 靭帯の剥離:人間のほうでは 、靭帯の評価はもっぱらMRIを利用:動物に応用

・牛の十字靭帯断裂はある:牛の場合は引き出し試験ではなく、上から体重のかかっている時に撮影すると、自動的にストレス撮影になる。顆間隆起が前方に変位するので、靭帯断裂と下腿前方転位とわかる。これは国試にも出た)

半月板の評価・股関節の異常評価

症例:歩くとゴキゴキ鳴る。直腸検査していると分かる。発育に伴って起こる。大転子骨折

(牛はほとんど脱臼しない。先天的なものか。また、脱臼がくせになっている)

関節内の貯留液:正常は粘調性があり、牽糸性もある。サラサラしているのは炎症性。

子牛の骨折:創外固定・創内固定。今は骨膜をあまり圧迫しないように。外から創外固定した症例

牛の手根関節:肥育で体重増加するに従い、潰瘍のような病変ができる。MRIでのグレード分類へ挑戦

・横断面像では、潰瘍のような画像

・冠状断面でも、関節軟骨面の連続性が途絶えて見える

馬は鼻でしか息ができない。

・馬の喉嚢炎:真菌は血管好性がある。鼻出血を引き起こす。

・喉頭蓋の異常は様々…喉頭片麻痺、喉頭蓋エントラップメント治療…

牛の慢性呼吸器疾患

・起立状態でのX線撮影:気胸…胸部皮膚切開と気管へのチューブによる酸素吸入、ネブライザー治療。

癒着が破れて気胸になったのを、変に圧をかけないで陰圧にしたら戻った

あえぐような呼吸、チアノーゼ、開口呼吸、運動したら倒れた。ひどい肺炎。気管洗浄、ネフライジング、

・牛の心嚢水貯留…特発性の心タンポナーデ

・気管虚脱

多発性の肋骨骨折

分娩時の難産介助などで起こる。胸部圧迫で苦しんでいる。

・膿瘍に癒着した大網による導管作成ドレナージ 尿膜管遺残 尿膜管膿瘍に対しての方法 強酸性水による洗浄と軟膏による治療

・画像診断は信用してもらえるので良い

腹部超音波検査

馬、疝痛。結腸腫大:エコーでは、腸管内にエコーフリー像と、その管腔直径の拡大

・腹水、胸水が溜まっていたら採取して検査する

・関節鏡を用いた手術

・腹腔鏡を用いた、鼠径ヘルニア閉鎖、膀胱結石摘出

・腹腔鏡を用いた卵巣摘出術

骨髄炎を併発した難治性の細菌性関節炎(手根関節)

・神経学的異常なし。関節液少量で粘調性、好中球・マクロファージ、球菌が見られた。

・関節包を18Gでの十字切開。治る時に周囲組織が萎縮し、円形の穴を残すようになる、ここからドレナージが可能になる。骨組織を削る。強酸水で洗浄。

・肥育素牛として出荷できた

骨端板の開放骨折、創外固定

・車用の金属パテを利用。3ヶ月後、治った。創外固定は筋肉の薄いところで。

牛頸部腫脹

・刺すと血が大量に出てきて血腫かと思ったら反対も腫れていて、全身あちこちのリンパの腫脹があり、白血病だった。

牛の蹄葉炎

・牛においても蹄葉炎は存在し、潜在性に分類される。牛は馬に比べ、先端部1/3の部分で体重を支えることができるから、そんなに問題にならないことが多い。

・蹄球に膿瘍が見られた例も

核医学、サーモグラフィー

・シンチグラフィーを用いた診断技術の開発、起立状態でのMRIなど、診断方法の開発が進む。

・馬の場合は四肢先端周囲に無駄なスペースがなく、炎症などが広がりやすい。サーモグラフィーを用いた検査では、フレグモーネなどの炎症性病変を診断できる。Cf:屈腱炎、蕁麻疹(逆に温度は低い:血流阻害か)

浅指屈腱炎

・馬 低エコー像 腱の過進展による腱断裂

・中心温度の上昇と組織融解が原因か:長距離を走るほど発症リスクが高まる

・実験で証明しにくい:発症してからの対応になる

?経時的な浅指屈腱炎のMRI T1W1像検討を行った

立位MRIで指骨炎位の軟骨下骨嚢胞や軟骨下骨損傷などの診断に利用可能 (ジョージア大学など)

・馬の場合はいいが、牛の場合、泥の付着が邪魔をする

核医学(シンチグラフィー)

牛の画像診断まとめ レジュメあり

・大脳…アカバネ病など。ぼーっとして目が見えない、など。ねじれはない

・小脳…怒ったりする

・脳幹…ねじれたりする

・前庭…ねじれがある

・頸部・胸部…脊髄、中耳炎、リンパ節、気管、心奇形

・腹部…尿石、膀胱破裂、潜在精巣…など

・骨…蹄葉炎、肋骨骨折、など

・産業動物の画像診断の応用:CT、DR、MRIなど

・犬でけいれん発作があるときは動画を撮る。診断・治療に活用。動画などをとってもらい検査に用いる事にも意義がある

最後に、下村先生の言葉から

真理の探究、探究する心 若い人にはちょっとくらい危なくても元気をもって勇気をもってやってほしい

本当に本気でやれば誰でもやり遂げられる

●質疑応答

Q:ネブライザーにおける治療が効を奏したものは、何を何日間つかったか?

A:1日1回、15分位、一週間くらい。気管支拡張としてネオフィリンと抗生物質、色素剤。色素剤で古いのが流れる。馬もだんだん慣れてくる。馬の状態を見ながら行う。

使用する薬剤は色素材:トリパンブルーなど。トリパンブルーなどは、細胞の排出作用を促し、悪いものは外に排出される。

Q:尿管破裂は治せるのか?

 A:尿管破裂というが、壊死なので、繋げるのではなく、筒状のものを覆いかぶせるように連結させる。袖のなかに袖を通すように行い、重なっている部分を縛りぬけないようにする。

Q:心タンポナーデで膿が溜まっているものと血が溜まっているものの診断はどのようにするか

 A:膿が溜まったものは。血が溜まったものはきれいである。急に血が出てきたものは、まだ元気。浮腫が来ないうちに手術する。溺れているのをとる。

Q:心タンポの症例では、頸静脈怒張など症状はなかったのか?

 A:ほかの症状が出ていれば、死に近くなる。心音聴取など、画像診断などで早期に見つけ、血を抜いてあげ

た方が良い。

先生の自論:先生はいままでのご経験を目の前の苦しんでいる動物のために何ができるか、

論文などの知識は度外視して、治療していく。上手く行ったら、論文を読んでこれが根拠だと思

うとのこと。

Q:気胸の例では、急激に胸腔圧を低下させることは肺に対して良いのか

 A:大丈夫。むしろ、気管チューブからの空気注入をコントロールすべきである。そこで圧をかけすぎて悪くなる事がある。脱気だけにしても予後良好な症例があった。生体を見て順番を考える。

2日目

牛呼吸器症候群病原体遺伝子検査

●蔵前先生

・牛呼吸器症候群に対する検査をキャノンメディカルとともに行った。

・牛ウイルス性下痢、コロナ、牛インフル、牛RSウイルス、マンへミア、BRS、IBR、BVDV1、2検査を行った。

・去年より病気の多かった農家の過去の状況を把握することができるのではないかと考え行った。

ほとんどはマイコで、何ができたのだろうと、解決に苦慮。その後、昨月、RSウイルスの猛攻があり、消毒と耳洗浄を行ない、対策を行なってきて、キャノンさんと協力してきた。

・今回のRSウイルスの検査は、人間用のもので、どこまで、交差があるかわからない。

・RSウイルスと疑ったのは、農場内に急速に広まったこと、乾性ラッセル音があったことが理由。

●キャノンメディカル 後藤さん

・画像診断については素人。DNAやタンパクなどの検査を行ってきた。

・検査キット、検査機器の開発を行ってきた。

・先生の牧場は世界的に稀に見る綺麗な牧場で、JAのサーボスを元に、お試しで牛の鼻汁検査を行ってきた。

・14都道府県、965検体のうち890検体で微生物検査陽性であった。他の検体は100程度陽性

・600検体以上は九州の検体

・母牛に対してのワクチンはうっていたが、子牛に対しては、ワクチンを打っておらず、検査でマンへミアとコロナが散見されていたので、ワクチン導入を行ったところ3年間で1200万円の売り上げ増

・これに伴い、農林水産省に報告したところ、国庫からの支出が減り良いとの反応があり、網羅的検査をしていこうという流れ。現在のところはまだ何も動いていない。

・環境消毒、環境改善を行ってきたところ、フォグマスターのホルムアルデヒド噴霧で、死ぬ子牛の数が減った、生きたまま、牛を出荷できるようになってきたと。しかし、毎年の環境要因の違いの考慮、偶然性などの否定的な意見も。子牛の状態は改善されたが、病原体自体は存在している。

・今後、全国に広めていくことで、経済的に良い方向へ導けるのでは。

・感染症は、改善されていくと、忘れられてしまい、機器の開発は進むものの、なかなか売れないという難しい面を含んでいる。今後とも、よろしくお願いしたい。

NOSAIの米重先生から

・NOSAIのほうでも、去年、100検体ほど受注し検査してきた。常在している病原体の説明に有益だと感じているところです。検査についてはコスト低減を行って欲しい。

・変異が激しい、病原体に対する検査は?

・検査料金に対して

検査を一頭一頭行なっていると値段が高い。3検体プール、5検体プール検査を行っている。

・届出伝染病の陽性が出ているとき届出しているの?

判断は、現場の先生にお任せしているが、症状が出ていなければ届出しない方向性か。

治る病気もあり、症状も出ていないから、頭数も多いので、いちいち家畜保険衛生所に報告はしていない。

世界の畜産情勢

●浜名先生

様々な写真をご紹介いただいた。世界の牛と動物

浜名先生は世界がお好きで牛病学会等、百回、世界三十カ国以上訪れ、現場を見たり直検したりしてきた。

近年、TPP等によって海外のものが入ってくることを恐れているが、恐れるだけでなく向こうのことを知らなければ対策は打てない。特に若い先生は海外に目を向け、できれば現地でいろいろな情報を集めてほしい。

1976年、パリでおこなわれた世界牛病学会に参加したときの話。英、独、仏を訪れた。

1. イギリスのアバディーン。イギリスは人口6500万に対し、牛1000万頭、羊3000万頭。草地は1000年以上かけて開発されてきた。牛が非常にきれい。ほとんど放牧である。

2.現地の獣医師。日本と同様。除角、麻酔して、根元を焼く。検体は 。柵に追い込んで

3.ブルセラ 馬はコンパニオンアニマル。馬交配、人工膣で採取、検査 第四胃手術

4 .ドイツの田園風景。ドイツは環境政策に力を入れる。牛が少ない。いろんな補助金を出している。イギリスの集約的な飼い方と異なり、少数で放牧。密度をあげると、草のほうが減るのが早く、公害になるので、牛を増やすことはしていない。

5. 曲屋。肥育農場は清潔。国民性が出ている。建物全体が白い。爪の手術

6.カンザスとカリフォルニア

 道はまっすぐ伸びており、両側は柵がずっと続いている。両側は放牧場。人口200万に対して、牛が日本以上の600万。繁殖牧場は草地で自由に飼う。春に雄牛を入れる。秋に子牛を回収。フィードロットになると、一箇所で10万頭規模になる

7.カリフォルニアは大規模で、放牧はほとんどない。ミシガン州で、木造の牛舎で1000頭飼っている農家があった。

8.オーストラリア 牧場、 羊、牛

  地平線の先まで続くほどの広い農場が広がる。牧羊犬。ビーフシティという肥育の場所、1カ所の3万5000頭。事務所には全農や丸紅の表彰状が並ぶ。牛はほとんど日本に来る。1頭の値段は安いのだろう。日本の人が指導していて、肉質などは日本向きに改善されている。

9.ニュージーランド

  粗放な放牧。牧場の中で搾乳していた。ジャージー牧場を 。鹿牧場が増えていて、現在150万頭飼っているとのこと。

10.ウルグアイ・アルゼンチン

 ウルグアイの牛病学会の時。種牛や、アルゼンチンで広大なパンパ草原を見た。現場を見て回ったり講義をしたりしていた。

11.ペルー

  ブラジルで牛病学会があった際に訪れた。マチュピチュやアルパカを見た。ペルーは貧しくて何もないような状態だった。

12.ザンビア大学

  日本が獣医学大学を作り、そこから、留学生を受けていたりする。農場は大きい

13.ザンビア大学での除角の授業。子牛の骨折に遭遇し、ギプスをしたところ一ヶ月後には治っていた。このように、何もないところでも応用して治していた。

14.ザンビア大学の教え子の様子。テストの様子。

15.ザンビアのワニ農場

  ワニ専門の先生もおられた。背骨が曲がったワニや、なかなか成長しないワニを見た。

16.ザンビアはエイズやマラリアが多く、平均寿命が40歳くらいで若い。家族が多く15人くらいの家族構成だが、親戚から引き取った子供を一緒に育てていることがある。ジンバブエ国境のビクトリアの滝。世界三大瀑布を見たことがある。

17.サバンナの話@。カバ・ワニいっぱい。シカの類のインパラザンビアにはサファリ2カ所。

18.A バーク、バッファローのお話

19.B おとなしいと思っていたが、ゾウはこちらに向かってきた。ライオン。ハゲタカ

20.野焼きの話、虫を防ぐ、次の草が生えやすい。木に燃え移ることも。ヒョウがインパラをチェイス

21.ウォーキングサファリ。猟銃を携帯していたが、密猟者のために年に何回か使用することがある。

子供の数が多いが、よく手伝いをする。サッカーをして遊んでいる。

音声ファイル22.ロボット搾乳の話。霧島第一牧場の話

農家と獣医師が一体になって安全安心な食品を供給していることを強調、PR。獣医師として、市民の方々に寄与しているということを意識していきたいと。

牛の敗血症

●中村先生

 敗血症で診断。3〜4時間で死亡。剖検もできた症例。死ぬ直前にも診療を行い、剖検も含め、実施できた症例の紹介。確実に敗血症だったと思える。

主訴:朝、牛が立てない、3頭部屋、昨日まで食欲は問題なかった。黒毛和種、雌、15ヶ月。自家産、300キロから350くらい。数日前に熱発、抗生剤で治療。所見、体温36.6℃、苦しそうな声、脱水、眼瞼結膜充血、皮膚温低下、起立不能、首を投げ出す。直腸検査にて、便があり、前日までの食欲を感じる。点滴を流し始めると浮腫っぽい触診しても苦しがって反応分からないくらい。

対処 生食3リットル、Ca剤、500cc 抗生剤、ステロイド

点滴するとワインの様な血尿。子宮炎、膀胱炎、腎炎の疑い。

TP2.4でかなり低い、α2グロブリン分画が急激の増加。慢性炎症でγグロブリンが上がるのを見たことはある。そのときはアルブミンも上がる。だが、α1分画はほとんどなくて、α2分画がポンと上がる。血液検査所見TP2.4、ビリルビン0.4、BUNが39でちょっと上昇している。白血球は上がっておらず2000

剖検したところ、胸垂での浮腫。内臓脂肪の黄疸が少しあるがすごい出血はなかった。腎臓はかなり出血。両側。子宮もどす黒い。脾臓の色も悪い。

胸腔内では、肺は重度肺炎、胸膜炎、肺炎は前から患っていたと思われる。前葉は萎縮し機能していない様。心臓周囲にフィブリンの析出。胸壁面の癒着

SIRSの定義(ヒト) SIRS:全身性炎症症候群。体温、心拍、呼吸数、白血球数

体温が38℃以上または、36℃以下。ハイリスク患者には肺炎、消化管穿孔が見られることがある

感染経路には尿路感染、胆道感染、皮膚軟部組織感染、骨髄炎などが考えられる

この症例は肺炎を患い、数日前に熱発。肺炎から菌が廻って腎、子宮、心臓の周りにも炎症が急性に起こり、敗血症で死んだ。

Q DIC、起立不全、発熱でヘモが疑われるが、ヘモのワクチン接種は?

A.ワクチン接種されていない。ヘモは見たことない。ヘモかもしれない。

Qヘモフィルス感染症でこの様な症状は出るか?

A. 起立不能、神経症状はある。全身的なSIRSはあまりない。突然倒れる感じ。ワクチンがすごく効く。ヘモに関しては抗体価が上がって肺炎の一因になっている。アメリカではフィードロッドで心筋炎で突然死する原因

Q 患畜の前歴

A 外から見ると発育に問題はない。自家産で子牛の時の環境は悪く、肺炎や中耳炎が蔓延。一貫・肥育

Q DICは出ていたか? 血小板減少は?

A血小板は高くなっていた。溶血がある。DICの前かもしれない。

Qフィブリノーゲンの数値は?

A.測っていない

(ここでちょっと病理がほしいとの指摘があった)

Q前がき、足のばたつかせなどの神経症状は?

A特に認められなかった。起立不能で動かないけど首を投げ出してうなっていた。

Q高張食塩水は与えなかったのか、脳圧が高いとき、小動物では用いることもある

A水を飲める様な状態でもなく、高調食塩は良くないと判断した。

(ここで味の素がきく?という話があった。)

Q外傷性であれば、γグロブリン分画が高くなってきているはず。TPが低い、AG比が低い:慢性病変

  生育は悪くないが、育った牛舎環境は悪い。こんな病変考えにくい、ご経験のある先生はいませんか?

Aいない、病理検査やほかの検査が必要になってくるのではないか

長期不受胎牛からの採卵成績

●是松先生

長期不受胎牛からの採卵成績考察

H21.1~H31.3の262頭採卵。少なくとも15頭の採卵は、育成で受精しても受胎しない牛1例。経産牛で受精しても妊娠しないと申告があったのが14例。なお、無発情牛は発情が来ないまま過剰排卵を始めたドナーとの区別がつかないため、この数には入れていない。長期不受胎牛だった牛もあると思われる

正常牛と不受胎牛を比べると、正常卵数が全体的に少ない。不受胎は15例で13頭。

不受胎は未受精が多かった。

不受胎牛の内訳…胚が全く回収できなかったのは一頭もなし。正常卵なし4頭。このうち2例は未熟な未受精卵ばかり。2例は変性卵と未受精卵。正常卵が回収できた15頭の中の11頭のうち、いい結果は3頭、まあまあの結果が3頭、何とかあった正常卵が5個以下なのが5頭。

正常卵牛は意外に3個以下が多い。そのピークは9〜12個のあたり。すごく取れたのは20個とか30個で、平均が上がる。

不受胎牛はピークが使える卵が少ない。

Aランク未受精…精液とまだ出会っていない、分割が始まっていないと思われる未受精卵

未熟な未受精…小さな卵

慣れないと、未受精卵の中でAランク未受精卵、未熟未受精卵を見分けることは難しい。

これを見分けることができれば、母体の卵形成能力の異常が考えられたりする。

多数回授精しても受胎しないと卵管閉塞を疑うが、今回の不受胎牛からは、全頭から卵回収が可能であり、卵管閉塞ではないと考えられる。不受胎牛では正常卵が採卵できなかった例では未熟な卵が回収されることが多く、 Aランク未受精卵がほとんどなかったため、授精タイミング不適正が原因ではないと判断。回収した液に乾燥した垢が多かったこともあった。不受胎牛だったとしても、正常に胚を回収出来たことから、挑戦してみる価値はある。体質改善で成功に至った例がある。卵胞嚢腫で長期不受胎になる。

優良血統の母牛が長期不受胎となった場合は、遺伝子を残すという観点からも、診断的観点からも、過剰排卵して採卵してみる価値があると思われる。

Q 高額な種の転売で死んでいたというケースがあるがどう思われるか

A Aランク未受精卵は精液が悪かったことが疑われる。未熟な未受精は母体側が未熟なまま排卵している、

Q 未受精卵となった原因は? 排卵のタイミングが遅かったとか?

A Aランク未受精卵は何らかの理由で精子と卵子が融合できなかったことによる。

Q 刺激を与えると

A 排卵しないのは難しい

Q エコーとか上手くいくか。

A そういうのもいいみたい

Q 長期不受胎牛の血液は比べたか

A 比べていない。

アスタキサンチンとリジンのバイパス物を飼料に混ぜると、未受精卵が多い場合に次の胚回収で成績が上がったということもあった。

黒毛和牛のヨーネ病発生の影響

●赤星先生

ヨーネ病の発生

もともと乳牛で蔓延していた。2003―2006で3年間抗体陽性が止まらない農場があった。臨床症状はなく、抗体検査でヨーネ病と断定された。高圧洗浄をかけに、役所が来ていたが、全く効果がなかった。

特に何もない。ずっと出続ける。

抗体の8倍以上で法定屠殺。50万。4倍以下は擬陽性で特にない、隔離、各自処分。自分のところで何故出るか理由は分からない。

国の牧場でも同様、一度入ると止まらない

噂だけが流れ、漠然とした不安があるのみ、検査が積極的に行われているわけでもない。

国の公表は一部出し、家畜保健所も管轄ではないから、公表できないとか、どこの農家も分からず、対処のしようがないのではないか?公表した場合に、自分たちが不利になるから、みんな黙っている。

NOSAI北薩 橋之口先生

第三胃食滞が疑われた 結果的に

H25.11.4産まれ。3産した直後。分娩H30.8.3。初診時受精後二ヶ月ぐらい。初診がH31.2.4。食べない。全くということ。パルスが174。第一胃運動弱い。食欲廃絶。GGT高い。アルブミン、TP高い。腸捻転ではないだろうと判断。とりあえず補液した。

第2病日

ポリアクリル酸Naを20Lに30g溶かして経口投与した。

第3病日

少量の排便を確認。パルス114でやや下がる。補液を続けて排便が見られ、食欲も出てきた。

T38.4℃ P:174 R:24

疝痛症状なし、腹蹴りなし:捻転などはないかな

灰色便

第6病日

血液検査異常なし

第7病日 治癒と判定した。

第8病日 治癒転機を撮って2週後

食欲なしとの報告。ポリアクリル酸Na経口投与(500mlペットボトルに溶かして。)

体温38度、パルス159、血液検査そこまで狂っていない

第9病日

前回より腹が張っている。朝は硫酸マグネシウムを流し込む。

夕方も通っている感じがせず、切開。第1胃切開(立位、右けん部陥凹切開)どこかにロープなどが引っかかっているのではないかーと思いながら。10cmの針金が第2胃から3胃にかけてのこぶし大の穴に経の直径にかかる様に刺さっていた。これを引っこ抜くと順調に食べるようになった。

1回目はポリアクリル酸で通っている。2週間はよく食べていた。1回目と2回目の原因が同じかも分からない。

心拍数はとった後下がった。パルスが下がると食欲は上がる。

第一胃の内容物を取り出すのにさほど時間はかからない

提案

水銀にかかる水俣条約に関連して、電子体温計に関して。防水が弱い、液晶が読めない。人用は使い切りのものもある。人用は太くて排便を誘発する。フックがほしい。先が細長く、紐がつけられる様なものがあれば良いな

?学生の昇格試験では電子体温計で。水銀計は使えない、水銀計を読めない学生も多い。

電子体温計は種類が色々。予測計は早くなるほど高い。ひもをつけて。今の水銀計くらいの太さで伸ばしてくれると…

出生直後の子牛の腸捻転

●君付先生

症例1

生まれてすぐの子牛が乳飲まず、口を開けない。今までは親が踏んだ、骨折していたということもあったが、今回はそのようなことは何もない。たいてい母乳を飲ませて直るが、それでも飲まない

・3月7日生まれ

・3月8日、母乳を飲まず、ぐったりしている

・経鼻で母乳を500ml。普通ならこれで飲むだろうと判断。

翌日(3月9日)

・飲まない、口を開けない。起立不能。目が窪んでいる

・経鼻で700mlミルクを与え、酢酸リンゲル

翌日(3月10日)、死亡

・血液検査(9日)でWBC:12500 RBC1107万 HCT:51 TB2.1  K9.3 GGT

・ラクテートは調べていない。

・出生直後に捻転が発生しているのか? と思い始める

・解剖…45kgの大きい牛だった。

・捻転に気がつかず経鼻カテーテルでミルクを通した結果、捻転部位への圧負荷により死なせてしまった。

質問

3日目の牛…産まれてすぐ飲んだ

本症例 フィブリンも

産まれて直後の捻転がある

症例2

19日に産まれて20日に排便しない、ほ乳瓶に口をつけない。指を入れても吸わない。おなかを押さえると痛がるような仕草をする。心拍数も上がっていた。

血液検査

X線では、捻転を疑うような像がある。結腸あたりにガス貯留の像がある。骨盤腔内に腸がガスを貯めて、はいってしまったか、病名ご存知の先生方いますか?

試験的開腹 腸に捻転があり、チアノーゼも認められる。 数時間後に元気回復。

田浦先生:

捻転やガス貯留部位の前後を中心にX線を取ったら良いだろう

君付先生:

昔は立位でX線を撮っていたが、うまく撮れず、今は寝かせて撮っている。うまく写るようになってきた。

原因:

出生後すぐの捻転は難産により生じているのではないか?

子宮捻転の話

子宮破裂から直腸破裂へつながるパターンは原因は何か?

症例4

破水があり、足が出ている

拡張剤で処置

効き目なく、帝王切開

子牛は元気なく、哺乳欲なし、18時

翌日朝7時 メーメーなく、口開けない、体温低下37.7℃

その後、子牛死亡、母牛死亡

母牛の肛門周囲からは腐敗臭がしていた

母牛の頸管が開かない

子牛はぐったり

子牛が口を開けない

子牛が腹部を痛がる

ミルクを無理に飲ますと死亡

帝王切開後も母牛起立できない

など

乳酸値を測る意義

乳酸は嫌気呼吸での乳酸と筋肉の疲労からくる乳酸がある。

子牛は分娩されるときに、母親の産道の中で酸欠になるので、乳酸が高くなる。難産時の子牛で起こる、捻転などでも乳酸が上がる。 分娩後すぐに乳酸値を測るべきかどうかは今後の症例検討次第。捻転を見極められるか?

農場のコミュニケーションをよくするにはセミナー

●山本先生

症例とは別分野ではあるが、農場内の問題、コミュニケーションについての話。

父と息子の仲が悪い、 連携が上手く取れずにミスが出る、経営者・従業員の仲が悪い、などの問題を抱えているのは全国共通である。

・参加型セミナー。普通はティーチングだが、それぞれ 持ち帰るものを増やす

・A4の紙に書きながら

・ほとんどミスはないが、農場内の提案の場がない農場が多い。ミーティングはけっこうしているが、不満・提案を出す場が少ない。

・経営者が従業員に対してどう感じているか…経営者は従業員がよくやっていると感じているが、従業員との距離が近くなるほど、不満を抱えている。意識のずれが見られた。

・楽しい農場というのは、不満・提案を出す場が多い。楽しくない農場では逆。

・三輪車理論について

技術・人・仕組みの三本柱。技術はみんな習う。問題は人と仕組みがほとんどの農場で上手くいっておらず、ゴタゴタしてやめていく。人と仕組みに気をつけて互いに勉強しようという趣旨で解説、テーマを決めてミーティング。

各農場内で共通することは、技術に関連することは教育されるが、人と人のつながりについては教えてもらう機会がなく、どうしたら良いか分からず辞めていくということ。

各班、自分の農場で困っている、コミュニケーションに関連するテーマを決めてもらう。

マッピングをまとめた。

・それぞれの意見をメモ用紙に書き出し、模造紙の上に貼り付けていく。

・最終的には、それらを一つの模造紙にまとめて、関連項目を矢印で結びつける

結果的に、、、

参加者が何を持って帰るか、いかに実行するか

それを実現するには、セミナーする側が、どんなコンテンツ(ネタ)、どんなプロセスを構成するか。

NDK(農場 どないすんねん 研究会)

獣医師は当然知っているオキシトシンの機能だが、医師はあまり知らなかったり

ONEHEALTHを考えていく上では、このような例にあるような、獣医師と医師の違い

従業員の方は、色々意見がある。だが、経営者へ反映されない。LINEグループの作成は効果的である。じわじわと経営者の意見を変えて行ければよいのではないか。給料や仕事の内容でのネガティブなイメージは良くないが、牛の状態がよくないとか、牛が死んだとかいう情報共有は、10人いて1人でも響けば、良いのか。

総合討論会

・農場の風邪の予防でフォグマスターはどう使うのか?

マイコは残存するが、症状を出す牛の数は減った。詳しい使い方については、シェパードの先生のスライドの使用だったので、わからない。

近年、オゾン、次亜塩素酸などを利用した、消毒方法がある。効果については、風邪は抑えられている様子。オキシリンクなど

ただし、噴霧を行なっている牛舎、噴霧中、噴霧後すぐ人が入ると気持ち悪い。

牛の状態についても、牛が繰り返し、吸入するとだんだんと調子が悪くなるということも報告されている。

・牛舎設備関連いついての汚い部分、古い牛舎での金属腐食は問題ではないか

・子牛のときに肺炎を患っている牛がいて

牛舎内の床変えのとき、埃が舞い、吸入すると、次の日にはゼイゼイとしている。

埃の培養では、多くの細菌が生えてくる。

・カビに注意

夏が長かったような年は、黒カビが白カビに勝って、秋口に、牛、人がアレルギー

・空気の流れは気をつけなければならない

新鮮な空気の入れ替え、空気の消毒を行うならば、その空気の行き場についても考えなければいけない。

問題になっている、部屋に消毒噴霧するのはよいが、それが、健康な牛がいる部屋にいくのはよろしくないから。

・口蹄疫の時みたアーケード式の車用消毒器

なぜそこまでするのか?口蹄疫を広めたのは自分かもしれんと思い、獣医師が広めている可能性を考え、しっかりとした消毒を行なっているということ。

・田浦先生  消毒には気をつけている

学生の実習などで、ある病原体について、未発生の農場で、病気が発生してしまった場合に、容疑者になってしまうから。

・マイコが発生している農場に出入りする場合

獣医師が持ち運びしている可能性を十分に考え、意識している

・ヨーロッパでの獣医師教育

農場に出入りする獣医師の教育の中で、重要なこととして、バイオセキュリティに対するものが重視されている。

日本ではなかなか、従業員を含め、教育がなされていなかったり、うまく言ってなかったりする。

・捻転について

試験的開腹は右ケン部切開や正中切開を行う。その場合は、ガス麻酔を行うので、病院に運んできてからしか行わない。

子牛で捻転が起こる発生機序については不明な部分がある。

胎水が多い場合、胎盤でつられているような状態の時など。

・膀胱破裂

何が原因か、子牛で起こっていることがあり、見過ごしていることもある

犬猫であれば、交通事故で腹圧が高まり起こることがあるが

・子牛の雄

雄は母牛の中にいる間は、母はメスなので、メスの影響を受けているが、出生後に、母牛との繋がりがなくなり、雄になっていく。