鹿児島大学臨床獣医学講座助教 石川真悟

牛の免疫力を上げるということを考えるあたり、「免疫力」という言葉の定義のパラダイムシフト、すなわち病原体を排除する力という単純なものではなく、自己と非自己を適切に認識しホメオスタシスを維持するためのシステムであるという概念をもつことは重要である。

パターン認識受容体は、代替療法として使用されてきた免疫賦活物質のターゲットである。これを介して、樹状細胞やマクロファージなどの自然免疫担当細胞を活性化させることにより、免疫システムの機能を適切化・向上させることができる。発表者らは、マウスの腹腔マクロファージがLPS刺激により貪食能が向上するのに対し、牛の肺胞マクロファージはLPS刺激がなくても盛んに異物貪食を行うことを明らかにした。また、こうした細胞においては、刺激する物質や、その刺激の際の条件により、MHC classUの活性化レベルやIFN-γ量が異なることから、自然免疫の活性を定量するのは容易ではない。近年の研究により、自然免疫はエピジェネティックに調節されていることが明らかになってきている。それは、クロマチン構造の変化による遺伝子転写調節や、ncRNAによる翻訳調節によって、ゲノムが同じ個体でもタンパク質の発現が変化し、表現型が左右されるという現象である。

牛の臨床における免疫賦活剤の活用方法としては次のようなものが考えられる。ワクチン効果を獲得するには、PAMPs(pathogen-associated molecular patterns:病原体関連分子パターン)による抗原提示細胞の活性化が必須であると言われている。ワクチン抗原そのものやアジュバントはそれ自体がPAMPsとなり得るが、効率的に自然免疫を活性化する物質として、免疫賦活剤の活用が挙げられる。予防的に、あるいは治療として、PAMPsとして機能する免疫賦活剤を投与することで、免疫システムを非特異的に活性化する。すると、クローズクロマチンがオープンクロマチンとなり、病原微生物の侵入に即座に対応できる、あるいは最終的にエフェロサイトーシスに至るまでの適切な免疫応答が誘導されると考えられる。われわれの実験により、栄養状態が適切であれば、鼻腔粘膜ワクチン(TSV-2)は免疫賦活作用(IFN-γ、リンパ球数、iNOS)を有することが確認された。また、他の動物種で使用されてきた免疫賦活剤であるアラビノキシランが、最近牛でも使えるようになった(商品名「牛元気」毎日投与して月3,000円くらい)ので、こういった商品もうまく活用してほしい。

<質疑応答>

「牛元気」は市販されているか

>市販されている

「牛元気」は呼吸器以外の感染症においても効果が期待できるか

>肺炎以外にも効くという現象は確認しているが、そのメカニズムは未確認である

「牛元気」はフレグモーネへの効果はあるか

>抗菌薬との併用で、効果が期待できると思われる。ちなみに馬のフレグモーネの治療においてステロイドは禁忌であり、抗菌薬の効果を注意深く観察する必要がある。

宮崎大学獣医外科学研究室5年 山内詩乃

卵黄嚢腫瘍は、胚細胞に由来し、精巣や卵巣に好発する。その発生は極めて稀で、牛においてはこれまでに4例が報告されている。卵黄嚢腫瘍は様々な組織学型を示すため、診断にはαフェトプロテイン(AFP)をマーカーとした免疫組織化学的検査が有用であるとされている。今回、われわれは精巣卵黄嚢腫瘍の症例に遭遇したので、これを報告し、その臨床診断方法について考察する。

6カ月齢、雄、体重159kgの黒毛和種子牛が両側陰嚢の腫大を主訴に本学附属動物病院に来院した。紹介元獣医師によれば、本症例は3カ月齢時に右側の陰嚢が腫大し始め、その後左側の陰嚢も腫大し始めたとのことであった。腫大・下垂した陰嚢は飛節まで達していた。陰嚢内容は硬固であり、軽度熱感と圧痛を示した。超音波検査では、腫瘤は充実性と嚢胞性の混合パターン示し、血流は乏しかった。また、X線検査とともに、石灰化病巣の存在が示唆された。以上の所見から精巣腫瘍と判断し、全身麻酔下で腫瘤を外科的に摘出した。摘出した左右の腫瘤は精巣様の外観を呈し、右側が39×8×5p、重さ1.5s、左側が40×10×8p、重さ2.2sであった。組織学的検査では、両側において多彩な組織構造を呈して増殖する腫瘍組織と萎縮した精巣を認めた。また、腫瘍細胞が血管周囲性に配列するシラー・デュバル小体を認め、同細胞はAFP陽性であった。術後、本症例は徐々に食欲の低下、腹囲膨満が認められたため予後不良と判断され、、術後35日目に病理解剖を行った。腹膜、横隔膜、肝臓、複胃、腸間膜膀胱周囲、脾臓、リンパ節に鶏卵大から拳大の腫瘤を多数認め、赤褐色の腹水が5〜6L貯留していた。

シラー・デュバル小体とAFP陽性細胞の存在などから、本症例は精巣卵黄嚢腫瘍と診断され、過去の報告と同様、腹腔内に転移がみられた。また、ヒトの精巣腫瘍では穿刺吸引細胞診と組織所見が一致することが知られている。牛の精巣腫瘍を疑う症例に対する早期の予後診断方法として、腹水細胞診および腫瘤の穿刺吸引細胞診の有用性を、今後検討する必要がある。

<質疑応答>

3カ月齢の発症時点ですぐ摘出していても、やはり転移したと考えるか?

>今回の症例の腫瘍は悪性度が高いものであり、原発病巣があのように腫大していた時点で転移していたと考えるべきだと思う。

AFPは大学で測ってもらえるのか

>民間の検査機関で検査可能である。今回の症例でも、紹介元の獣医師が血液検査等で利用している会社に依頼して検査を行った。

AFPはどんなときに上がるのか

>ヒトでは胚細胞腫(卵黄嚢腫瘍、胎児性癌、奇形腫)と、肝細胞腫で上昇すると言われているが、ウシにおいてはまだ不明である。

獣医師と重症熱性血小板減少症候群(SFTS) 

宮崎大学獣医外科学研究室助教 桐野有美

近年発見が相次ぐ動物由来病原体の中にはヒトに感染すると重症化するものや、特異的な治療法およびワクチンが実用化されていないものがある。われわれ獣医師はその活動現場において、このような感染症に罹患するリスクを有している。重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はその典型例と言える。SFTSは2011年に中国の研究者らによって発見された新規ブニヤウイルスで、日本では2013年の届出開始以降、300例を超える患者と、約20%という高い致死率が報告されている。本ウイルスは、マダニの中で伝播されるサイクルと、マダニと野生動物の間で伝播されるサイクルとで維持されており、そのサイクルにヒトが巻き込まれることで感染する。

マダニはその生涯で3頭の動物(あるいはヒト)から吸血するため、感染動物から血液とともに取り込んだウイルスを、次の動物へ伝搬することが可能である。さらに、SFTSウイルスは母マダニから子マダニへと垂直に伝搬することもわかっている。マダニは自力ではさほど遠くまで移動することはできないが、動物や鳥の体に乗ってかなりの距離を移動することが考えられ、このことがSFTSウイルスの流行巣拡大に一役買っていると推測されている。

われわれの調査では、2009-2010年に宮崎県内で捕獲されたイノシシ105頭のうち、42%が抗SFTSウイルス抗体を保有していた。このことはヒトへの感染リスクを反映していると推測される。さらに、宮崎県内で未だSFTS発生報告がない地域において捕獲されたシカ138頭においても、41%が抗SFTSウイルス抗体を保有していた。全国各地で野生獣の増加が十分に抑制できておらず、こうした動物を吸血源とするマダニ種が増加したり、マダニ媒介性感染症の流行巣が拡大したりするおそれがある。住宅地や公園などに頻繁に姿を現すイタチ、タヌキ、アナグマなどもこうしたマダニを数多く体に付着させていることを意識すべきである

ヒトにおいては重症化しやすい一方、動物では不顕性に経過すると考えられてきた。しかし昨年から、ネコやチータ、イヌでの発症あるいは飼い主への感染といったケースが報告されている。ネコ・イヌにおけるSFTSは、発熱、 白血球減少症、血小板減少症が認められ、入院を要するほど重症で、既知のウイルスの感染が否定される場合に疑うこととなっているが、判断に迷う場合も演者までご相談いただきたい。診察や看護の際は、感染動物の分泌物と排泄物による接触・飛沫感染の可能性を考慮した対策が必要である。

アメリカにおいて、ペットを飼育している家庭では、人間がマダニに咬着される確率が有意に上がることが報告されている。したがって、ペットにダニ駆除剤を投与することや、散歩のあと室内に入れる前に外でブラッシングをすること、マダニが吸血しているのを発見したら、除去するとともに、2週間程度は体調の変化に注意することなどを飼い主に注意喚起すべきである。また、宮崎県において、獣医師がイヌの診療を通してSFTSウイルスに感染したと考えられるケースも見つかっており、医療だけでなく獣医療領域においても感染対策が必要である。

<質疑応答>

宮崎でのイヌから獣医師への感染事例では、感染ルートは喀血からなのか?

>感染源はそのイヌであると考えられるが、具体的なウイルス侵入ルートを確認することはできない。

牛小屋にはタヌキがうろついており、牛の去勢手術の際に、ダニに吸血されたような跡を見受けることがあるが、タヌキから牛への感染も考えるべきか?

>マダニがタヌキから牛に行くことは十分ありえる。国内の牛における感染状況については、食肉産業への影響の懸念から調査が進んでいないが、中国での報告を考慮すると、本ウイルスが野生動物から直接あるいはマダニを介して牛に感染することは考えられる。

動物からヒトへの感染事例において、二次感染、三次感染はなかったとのことだが、なぜ感染がそこで止まるのか?

>ヒト-ヒトは濃厚接触でなければ感染しないというのが理由のひとつであると考えられるが、当時はSFTSの存在自体知られていない頃であり、患者が入院先で特殊感染症としての扱いを受けていなかったことを考えると、医療従事者への感染リスクは相当あったと考えられる。

犬の体内でSFTSウイルスは増殖するのか?

>増殖し、分泌物や排泄物に排出される。

宮崎で感染者が多くてもヒトからヒトへと感染拡大していないのはなぜか?

>空気感染しないためだと考えられる。

抗体保有している野生動物が多く、また、マダニにかまれる可能性も高いのに、思っているほど感染しないのはなぜか?

>林業従事者や流行地の住民など、ハイリスクと考えられる人々の抗体調査においても、陽性者が見つかるのは稀である。ウイルスを保有しているマダニが見つかることも稀である。感染動物において、ウイルスが排出される期間はごく限られていることや、ウイルス保有マダニの分布が非常に局在していることなどが原因であると考えられる。しかし頻度が低いとは言え、感染した場合の重篤度を考えると、SFTSによる健康被害リスクを過小評価することはできない。

感染とはどこまでを言うのか?発症するまでなのか、マダニに噛まれた時点でなのか、体内で増殖した時点でなのか。

>ウイルスに関しては、細胞に入り増殖する過程のことを指す。ウイルスがヒトの体内に入った段階では侵入と言う。

猟をする人へのアドバイスとしては何があるのか?

>虫よけスプレーは効果的ではあるが、それでもマダニは付く場合がある。滑りやすいつるつるした素材の、白っぽい色の衣服を着用することも対策の一つである。一番重要なのは、山から孵ったらなるべく早くお風呂に入って、全身をチェックすることである。

マダニが咬着して、どれくらいでウイルスが入るのか?

>はっきりとしたデータはまだ公表されていないが、比較的早い段階ではないかと言われている。

ツツガムシが媒介する感染症とは症状が違うのか?

>ツツガムシでは多くのケースで発疹がでるなど、症状に違いはあるが、SFTSと診断された症例の中には、ツツガムシを疑って紹介受診されたものもある。

マダニは3回吸血するとのことだが、同じ個体を吸血しても成長するのか。

>違う個体でないといけないというわけではないので、同じ個体を吸血しても成長する。ただし、ごく一部の種を除いて、1回飽血するごとに動物を離れる。

マダニに噛まれた場合、自分で取るにはどのようにすればいいのか?

>マダニは顎体部を皮膚内に入れセメント様物質で固めてしまうので、普通に取ろうとしたら皮膚内に残ってしまう。取る場合は、顎体部をピンセットでしっかりつかんで抜く。真上に引っ張ると取りづらいので、ねじりながら引き抜く道具も安価で販売されている。セメント様物質で固めるのに12日かかると考えられているので、マダニが咬着して間もなければ、除去はさほど難しくない。

噛まれた時点で感染するのか?

>今のところ、噛まれてからウイルスが侵入するまでの時間を示したはっきりしたデータ

がない。この時間が極めて短い場合、ダニ駆除剤による予防が難しいことも考えられる。

ダニの体がちぎれて頭が皮膚の中に残った場合、残ったものは肉眼で見えるのか?また、取る場合は皮膚切開する必要はないのか?

>見える。取るのが困難な場合は、病院で皮膚切開することが多い。

昔は、放牧などで多数のマダニが咬着した牛を素手で治療していたが、、ダニに咬まれたことはなかったように思う。どうして50歳以上がリスク対象なのか?加齢臭と関係があるのか?

>もしそうだとすると、加齢臭に反応して高齢者の血液を吸うことが、マダニにとって何らかのメリットになるということになるが、それは考えにくい。なお、高齢者の方が発症しやすい、というのならまだわかるが、さまざまな年齢層の住民健診においても抗体保有者が見つかることは稀であり、そうなると不顕性感染はほとんどなく、感染自体が高齢者に多いということになる、これは非常に不思議である。

日本での牛における抗体保有率はどのようになっているのか?

>鳥取県のと畜場での調査では、高いところで10~20%というグループもあったようであるが、調査対象の数も背景も偏っていることが考えられるので、これが一般的な抗体保有率だと考えるべきではないと思う。

親戚で、23週間発熱が継続し、抗生物質が効かず、精密検査を実施しても異常は認められなかったことがあった。ツツガムシ病は陰性であった。このような場合、マSFTSを疑うべき?

>マダニ媒介性の新規病原体は未だに発見が相次いでいる。中国でもSFTSと類似した新たなウイルスが発見されており、原因不明のこうした疾患が未知のウイルスによるものである可能性は十分あり得る。

SFTSの抗体検査にはどれくらい時間がかかるのか?また、全血で行えるのか?

>検査自体に要する時間は2日。血清で行う。

家畜共済の病傷事故給付基準及び細則

NOSAI連鹿児島 米重隆一

カルテの記載等について、実際に現場の先生方のカルテを見て、気を付けていただかないといけないと思ったことを報告する。

カルテ記載の不備については、個体番号や生年月日、稟告等が抜けていることがあり、注意が必要である。また、開始時間、終了時間の記入漏れや誤った病類コードの使用、不自然かつ大量なコピペのカルテ作成等も見受けられ、こういったものは要注意として取り扱われる。薬剤に関しては、それぞれの薬剤の添付文書に記載されている用法に沿って給付基準が定められているため、それを逸脱する使用に関しては給付適用外となる。また、添付文書に記載のない効果を期待して薬剤を使用する場合も適用外となるため、対応する症状の記入や診断名の記載が必要である。例えば、NSAIDsは牛の関節炎で用いられる場合があるがこれは適用外である。ただし、これらの基準はどこまで給付が可能かということを示したものであり、獣医師の裁量による診療を妨げるものではない。

近年、畜産物や畜産廃棄物等を介して薬剤耐性菌がヒトに広がることが危惧されており、その対策として薬剤耐性対策アクションプランが設定された。抗菌薬の使用に関する給付基準は県によって異なる部分もあるので確認が必要である。薬剤感受性を確認する試験としては、ディスク法と微量液体希釈法がある。原因菌の特定法としては、下痢の場合、糞便の直接塗抹のグラム染色が簡便である。抗菌剤の臓器移行性を考慮した抗菌剤の選択も重要である。使用期間に関して、給付基準では短すぎる場合は、現症経過にて薬が効いているから使用継続と記入することで、給付対象となる場合がある。薬剤感受性試験の結果は必ず記入すべきであり、今後は正確な原因菌の把握と耐性菌問題への対策が重要となってくる。

給付基準にとらわれすぎて救命率が低下してしまうのは本末転倒であるため、農家さんにご負担いただきながら、一定のルールのもとで診療にあたることが重要である。

       

<質疑応答>

検査について、初診時に採血した時に正常値の場合は給付適用となるのか?

>病名がつかないと適用外となる。

薬治審議委員は何人で行っている?

>把握はしていない。

薬治審議委員に現場の獣医師等も含めるべきだと思う。地方からの意見も取り入れてほしい。また、薬の価格が給付基準よりも高いものが多く、損失が出るので使いづらい。

>現場の声を提案していきたい。使用期間の延長等は現在提案している最中である。

制度改正の現状についてはどのようになっているのか?

>ほぼ変更はない。現場の声を届ける努力は続けており、それに対する農水からの返答があれば追って報告した。

本来は給付対象外だが、臨床獣医師の中で有用と考えられる用法等は多くある。多くの人が効果を実感し、使用しているものは、給付対象とすべきだと思う。こうしたものが地域によっては給付対象となっていることはあるのか?

>国が認可するのは学術的に証明された用法のみであるため、現場で広まっていても学会での報告がないと難しい。薬効以外の病気に対して使用する場合には、カルテの診断名を追加するなどして、診断名と使用薬剤との間に齟齬がないようにすることで対応可能である。

[提案]毎年開業獣医師に対して調査が行われるが、一人で回答すると普段考えていることを全て記入するのは難しいため、地域ごとに検討会を開いて多くの意見をまとめて一つの意見として提出する体制を整えてほしい。また、同じ意見が複数から出たら、農水も改正に向けて動くのではないか。

[提案]適用外のもので効果があるものを使用したい場合、その意見を届ける場所がほしい。

月齢を基準とした薬用量だと個体の発育差に対応できないため、薬の量の給付基準は体重をもとに決定すべきではないか。

>その月齢の平均体重での用量に、かなりのマージンを加えた量を給付限度としているので、個体差にも対応できているはずであると考える。それよりもさらに使用量が多かった場合には、月齢にしては体重が大きいということを明記していただきたい。

U牧場ホルスタイン種 連続心疾患2症例の紹介

中村動物病院 中村優臣

心疾患の臨床現場での診断は難しく、診断的治療としてパーネットを飲ませることが多いと思われる。今回、同一農場で2例続けて心疾患に遭遇したので報告する。

・1頭目

7歳、食欲廃絶、泌乳停止、歩様ぎこちなく、ケトン検出陰性、腹腔内に異常音はなかった。

血液検査では白血球が経度上昇している程度であった。ガサガサというような心音を聴取し、心拍が不調であり、頸静脈拍動を認めた。エコーにて胸腔内に浮遊するフィブリン塊を描出した。左第5、6肋間を留置針で穿刺したところ、腐敗臭をともなう膿性浸出液が出てきたため、留置針を套管針に変えたところ、多量の胸水が出てきた。胸水抜去後、セファゾリンを胸腔内に注入した。家畜保健所に胸水の検査を依頼したところ、Trueperella pyogenesが検出された。その後も全身状態は回復せず、剖検を行った。T. pyogenesによる膿胸であり、菌の侵入経路は不明であった。

・2頭目

食欲不振、頸動脈怒張、胸垂浮腫、下腹部浮腫を認めた。胸部エコーにて左右ともに胸水貯留を認め、心嚢膜内にも液体の貯留と浮遊する物質を認めた。左側から胸腔穿刺するも、液体の排出はごく少量であったことから、右側から穿刺したところ、無臭の胸水35Lを排出した。血液検査では肝臓の数値の上昇を認めた。また、胸水のTPは1.2であり、漏出性の胸水であると判断した。胸水からは病原体は検出されず、定期的な血の液検査をしながら経過観察することとした。Caが低下したこと以外は著変なく推移したが、最終的に予後不良と判断し、剖検を行った。片側に多量の胸水貯留を認め、拡張型心筋症(右心室壁の菲薄化)を認めた。タンパク泳動結果に炎症パターンはなかった。成書には、ホルスタインでは若齢(2-4歳)で拡張型心筋症が発生すると書かれており、本症例も拡張型心筋症による心不全と診断した。

<質疑応答>

1頭目は疣贅性心内膜炎を示唆するような所見はなかったか

>心臓は開けていないので不明である

エコー検査をせずとも聴診で診断が可能だったのではないか

>1頭目についてはガサガサと臓器同士が擦れるような音があり、今考えれば胸膜のフィブリン塊と心外膜との摩擦音であったと思われる。聴診した時点で、異常は検知できたものの、具体的な診断はつかなかった。エコー検査の結果等と合わせて総合的に診断した次第である。

ラシックスによる症状の改善は期待できないのか

>今回の症例では胸水抜去後も全身状態の改善がなく、予後不良と判断し、それ以上の治療をしていないが、検討しても良かったと思う。

この農場で同様の症例はこれまであったのか

>パーネットを飲ませた例は何例かあったが、今回のような症例はなかった

腸重積の症例

山本アニマルクリニック 山本浩通

10日齢の黒毛和種子牛が元気がなくなったとのことで連絡があった。脱水はなく、経過を観察しようとしていたところ、同日の夕方に脱水、起立困難、腹囲膨満を認めた。腸捻転を疑い開腹を実施したところ、盲腸の腸重積を認めた。入り込んだ盲端を鉗子等で引っ張って整復しようとしたが戻らなかったため、二重になっている先端を切開したところ、重責箇所を引き出すことができた。壊死した盲端を切除して縫合した。現在、術後1週間であるが経過は良好である。この症例から、腸重積において早期診断が重要であり、診断のポイントとしては、急激な脱水、拍水音、腹囲膨満、エコーによる小腸の膨満である。また、早期治療のための畜主への適切な説明も重要である。

<質疑応答>

初診時は血液検査は正常であったのか?電解質異常は認められなかったのか?

>正常。ラクテートは検査していない。

わたし(君付先生)の感覚としては、ラクテートの数値で病態をおおよそ推測することができる。腸捻転では3以上、 腸重積では2~3、不完全な捻転で1.5程度である。

完全な閉塞ではなかったのか?

>夕方には水様の便が出ていたため、完全な閉塞ではないと考えられる。

夕方の再診時は血液検査を実施したのか?

>していない。

エコー検査にて腸重積部は見えなかったのか?

>通過障害が起きていることは予測できたが、腸重積を疑っていなかったため、重責を示すドーナツ状陰影を探すことはしなかった。

(コメント)重積部はレントゲンで特定できるため、レントゲンで確認した後に、ドーナツ状の陰影をエコーで確認する方法もある。

麻酔はどのように行ったのか?

>キシラジンを静脈注射で追注なし。

哺乳スピード

山本アニマルクリニック 山本浩通

哺乳による誤嚥性肺炎はその後の発育に大きく影響するため、哺乳と発育との関係は重要であると考える。哺乳スピードで発育速度が異なるとの話を聞き興味をもったため、調査を実施した。

哺乳瓶とバケツで給餌した時の発育の差を調査した研究では、哺乳瓶の方が良いとの報告がある。哺乳子牛のリパーゼは1カ月頃から増えてくるため、それより若い日齢ではデンプン等をうまく消化できない可能性がある。また、唾液中にはミルクを消化するための酵素が含まれるため、時間をかけて十分に唾液を分泌させながら哺乳させるべきだとの指摘もある。従来の哺乳瓶を使用した場合、2Lを3分で飲ませきってしまう。乳頭のカットの仕方は商品によって様々であり、農家によっては早く飲ませるためにさらに穴を広げることもある。また、ミルカーを使って哺乳瓶の流量試験を実施した結果、商品によって様々であることが分かった。これらを踏まえて、SK電気社製の乳頭(穴なし)を釣り用品店に売っているコマセバケツに取り付け、乳首の穴の大きさを変えて哺乳時間を比較したところ、6oの穴で哺乳に10分を要することが分かった。結論として、2Lのミルクを10分以上かけてゆっくり飲ませることで、誤嚥性肺炎をしにくくなり、発育が良くなるのではないかと考える。作業の操作性が良くないと農家は使わないため、陰圧でへこんでしまう哺乳瓶ではなく、バケツによる哺乳の仕方を提案する。

<質疑応答>

乳頭の長さを短くすると誤嚥性肺炎が減るとのことで、乳首に装着して乳首を短くする道具が売られているが、そうした観点での工夫はどうか。

>顧客の中に、その道具を使っている農家もいくつかあるが、効果はよくわからない。関係はあるのではないか。

ペットボトルが哺乳時に陰圧になることでぺたんこになるとのことだが、空気を入れる穴の大きさを調節すればいいのではないか?

>空気穴を開けると2Lを2分で飲んでしまうため、推奨しない。バケツだとペタンコにならずに済む。

乳頭の位置はどのくらいの高さがいいのか?実際の母牛の乳房の高さから考えて、地上5060pが誤嚥性肺炎予防によいのではないか。あまり高くすると首をのばして飲むことになり、気道に入りやすいのではないか?

>高すぎると誤嚥性肺炎のリスクがあると考える。哺乳瓶ホルダーの取り付け位置は農場によってばらばらなので、低い位置で設置するよう指導する必要がある。

哺乳に時間をかけると唾液が溜まって、口内が泡だらけになることがあるが、それを確認することで、消化酵素が出ているとみなしていいのか?

>そう思う。

丸型の乳頭は哺乳瓶を傾けただけでミルクが出てくるため、誤嚥性肺炎のリスクを考慮すると危険だと考えるが、丸型を使用している農家でも誤嚥性肺炎は起きていない。乳頭の穴の形は重要なのか?

>誤嚥する危険性がありそうではあるが、今のところ相関性は見受けられない。ボトル・穴・個体のどこに問題があるのか検討すべきである。

210分は農家にとっては長いように感じると思うがどのように指導すればいいのか?

>発育試験をしていないので、10分がいいかどうかは今のところ証明できていない。説得するためにも今後検討すべきである。

尿膜管遺残

NOSAI北薩 橋之口 哲

症例1では、咳、肺雑音、陰毛に尿石付着を認めた。エコー検査にて尿膜管遺残を認め、抗生物質を2週間投薬したが消失しなかったので、手術を実施した。臍部から膀胱先端までを全摘した。摘出した尿膜管の中には膿が貯留していた。

症例2では、以前から下痢と発熱を認めており、臀部が腫れているとの主訴で往診。腫れていたのは血種であったが、その診察の際に陰毛に尿石の付着を確認した。同居牛と発育に差はなかった。直腸検査で腫瘤らしきものを確認し、エコー検査を実施したところ膀胱内部に境界不明瞭な腫瘤を確認した。直腸検査でも膀胱との境界を確認できなかった。尿膜管遺残や膀胱憩室の存在が疑われる。

 最近、各地の肥育農場で尿膜管遺残に起因する泌尿器系の障害が発生し、購入元である繁殖農家の責任であるとして、補償請求など家畜市場をまきこんだトラブルに発展するケースが増えている。

尿膜管遺残を出さないための対策として、分娩直後の臍帯の消毒が最も重要であると考えるが、参加者のみなさんはどの消毒液を使っているか、回数はどのくらいか、意見を求めたい。また、臍帯クリップという商品があるが効果はどうなのかも併せて伺いたい。

<質疑応答>

[意見]以前は臍帯に消毒をすすめていたが、最近は消毒せずにクリップの使用をすすめている。以前は専用のものを使っていたが、最近は100円ショップの10100円のクリップを愛用している。臍帯が落ちるまでくっついているため、農家にすすめている。

臍帯は生まれた時に閉じると言われているが、個体差があるのか?

>あると思う。閉じない主な原因としては感染によるものであると考えられる。

お産で牽引した時に臍帯が根元からちぎれた時はどうしているのか?

>臍帯の根本の穴が露出しているような場合はその日から抗生物質の全身投与と創部の消毒を行っている。

[意見]子供を可愛がって、臍帯をなめる親牛の子牛は臍帯炎が起こりやすいと思い、隔離したところ臍帯炎の発症率が下がった。このことから、親と子の関係にも注意して観察する必要があると思う。

[意見]クリップをしていると他の牛が誤食してしまうリスクがあるので、使用する場合は注意すべきである。

[意見]希ヨーチンによるディッピングを行う。希ヨーチンはアルコールで希釈されているので、脱水効果があり、乾燥を促進し、結果的に臍帯の閉鎖・退縮を促すと考えられるので、環境細菌の侵入門戸を閉じるという意味ではクリップと同様の効果があると思う。

分娩後元気消失を認めた子牛で、親指大の臍帯を認めたため、臍帯炎を疑って5日間抗生物質を投与したが、疼痛の消失のみで大きさは変わらなかった。そこで、哺乳時以外親牛と隔離したところ、それでも大きさ変わらなかった。このような症例に遭遇した場合、どうすればいいのか?

>抗生物質の投与をもっと続けるべきである。感染が臍静脈まで及ぶと致命的なので、最初にたたくことが重要である。

2週間使用を継続する場合は、薬は変更するのか?

>変更しない。ペニシリン、カナマイシンの併用を継続している。

遺伝病の可能性はないのか?

[フロアから]尿膜管遺残自体は増加傾向にあるようだが、原因を詳細に解析した報告はない。宮崎県の一部地域で本疾患の血統背景をまとめたところ、有意差はなかったとの報告があるが、症例数が解析できるレベルではなく、また地域バイアスもかかっているように思う。連合会等との協力により、大規模なデータ収集が必要である。

[意見]生時体重との相関性も見るべきである。平茂勝のような大型の子牛では、臍輪が大きく、閉鎖しにくいことが考えられる。また、子牛価格の高騰で、分娩トラブルを過剰に恐れるあまり、分娩早期に強引に牽引するケースが増えているように思う。これも本疾患の増加の原因であると考えている。

抗生物質を10日続けて効果が認められない場合、局所注射はするのか?また、薬用量は変えるのか?

>しない。筋注のみ。薬用量は変えない。

ステロイドは使わないのか?

>使わない。

尿膜管遺残のエコー検査で膿瘍を認めることはあるのか?

>ある。膀胱尖のあたりに膿瘍を認めることが多い。

国策酪農の60年後 〜根釧台地パイロットファーム〜

かごしま動物病院 赤星隆雄

1990年代以降の畜産補助事業はクラスター事業が主であるが、それ以前に盛んに行われていたパイロットファーム事業のその後について、根釧台地の事例をもとに検証したい。

入植地において、一戸あたり40町歩の土地が分譲予定であったが、実際は5町歩であった。自己資本7%、補助金18%、借金が74%で開始されたが、農家の残存率は26%、昭和3年の入植では8%であった。ブルセラ病による被害に見舞われた農家も多くあった。ステークホルダーである世界銀行との取り決めにより、導入品種はジャージー種に限られていた。現在はハーゲンダッツの原料供給地となっている。

この建売入植の問題は、現在農協が実施している肥育牛の貸付と類似点が多い。また、当時のブルセラ病への対応の問題点は、現在のヨーネ病への対応に通ずるものがある。

<質疑応答>

コメント

農機具ひとつ買うにしても補助事業でより高い値段で購入することになり、農家以外の各方面に利益が分散されている状況は現在も続いている。肝属郡の牛農家においては自家受精が増え、人工授精師の商売が成り立たなくなるおそれがある。豚も家畜市場で取引されることはなくなった。さまざまな畜産関連事業の経営形態が変化する中、農協には変わらず利益が集まる仕組みになっており、農家の経営は楽にならないことに疑問を感じる。

U-motionの導入事例

株式会社ラボジェネター 中紙育朗

U-motionとは、牛の首にバンドを巻き付け、加速度センサ・気圧センサ・接近センサによって、採食時間・飲水回数・起立等を24時間記録し人工知能が解析することで牛を監視するシステムである。疾病・発情・体調不良等の検知が可能である。北海道の肥育農場で1カ月導入したところ、起立困難の牛をメールで知らせたことで、ビタ欠を検出できた。病気の牛を年1頭検出できるだけでも費用対効果はあると考えている。課題として、シラミによる掻痒行動と、異常行動とを鑑別できないなどがあり、改善中である。このようなシステムの導入により、例えば肥育農場の夜間の見回りなどが不要になるのではないかと期待している。

U-motionだけでなく、ファームノートカラー等、こうしたシステムの導入事例があれば所感を伺いたい。また、このようなシステムをどのように感じるのかを伺いたい。

<質疑応答>

導入コストはいくらくらいかかるのか?

100頭に装着している農場で、60万円の支出とのことである。年分割払いなども行っている。

ファームノートカラーとの差別化はどのような点にあるのか?

>気圧センサがついている点である。牛が寝ているときの高さと、立った時の高さの差を気圧で検出する。起立困難の発見精度の向上につながる。

牛がもがき始めてからアラートが鳴るまでの時間の間隔は短くできないのか?

>おそらくできない。また、短くすると、なんでもかんでも検出してアラームが鳴りっぱなしになってしまい、どれが本当に対応すべきものか判断できなくなる。

[意見]重症だと1時間では助からないと思うので、アラートがなるまでの時間をもっと短くするべきであると考える。

宮崎大学でも工学部が中心となって、付属農場にて同様のシステムの開発を行っているのだが、実際にこのシステムによって検出された疾患はどのようなものがあるのか?

>自分が知っている2つの農場で導入されており、それぞれ導入してから約1カ月程であるので、検出事例がまだ少ない。これまでに2回検出されており、どちらもビタ欠であった。

どのような所見からビタ欠を疑ったのか?

>活動時間を解析し、動かない時間が増えたことから疑ったのではないかと考えている。

[意見]人工知能の導入は今後普及されていくと考えられるので、我々獣医師も理解する努力をしていく必要がある。

総合討論

新生子牛の熱発・下痢について

子牛が出生後わずか23日で熱発することが最近増えているような気がする。そのような症例に遭遇した場合、どのような対策をとるか?農場の衛生対策は様々で共通点は見られない。下痢予防としては、ビタミン・鉄・コクシジウム対策等を実施。その後、肺胞洗浄をすることで治癒した。

[意見]母乳が出ても出ていなくても、24時間以内に初乳製剤をしっかり給与することで、初期免疫の底上げを行っている。また、農協の協力を得て、消化分解酵素が入った餌付け飼料を与えるよう農家に指導している。

[意見]母牛が乳を飲ませないというケースで、出生後30分以内に初乳製剤飲ませ、翌日も同様に給与した子牛で、その後、下痢を呈し、熱発した。血液検査にて異常を認めなかったが、徐々に元気が消失していった。それ以来、初乳製剤だけでは不十分であり、母乳からしか摂取できない重要なものがあるのではないかと考えている。

[意見]ある農場で、分娩後48時間の子牛の血液検査を実施している。γGTPは初乳摂取状況をよく反映する。簡易TP測定器で初乳摂取状況を評価できないかと考えている。

[意見]上述の症例において肺胞洗浄を実施したとのことだが、生後23日の熱発は呼吸器感染を疑っているのか?

>何日か経過後に、聴診にてラッセル音を確認し、洗浄を実施したところ改善が見られたため、関係があると考えているが、細菌やウイルスとは別の原因で下痢と熱発を引き起こしている可能性も考えている。

[意見]であれば、原因究明のために、そのような症例と健康な子牛、あるいはそのような症例が発生する農家としない農家とを、さまざまなパラメータで比較する必要があるのではないか。

鹿児島大学で肺胞洗浄検査を実施する場合の費用は?

>往診料なしで、一頭当たり11,800円である。生物学的検査、感受性試験、内視鏡検査として保険請求することを、鹿児島の連合会と取り決めている。

初乳製剤を最初に与える場合、母乳は全く飲ませないのか?

>初乳製剤を確実に飲ませた上で、母乳も飲ませることを推奨している。下痢や熱発は初乳給与が十分でないことが原因であると考えているため、母乳が出るか出ないかを確認する前に、初乳製剤を飲ませた方が迅速かつ確実であると考える。

下痢が出ない農家でもそのように行うのか?

>予防のため、そうするように指導している。

フレームが異常に小さい子牛について

痩せていなくて発育しない小型の子牛は何が原因と考えられるか?

[意見]小型で太らない症例は鹿児島大学で剖検したことがあるが、臓器、特に腸管が発達していなかったため、先天的なものではないかと考えている。

[意見]同じような症例を肥育したことがあるが、最終的に400500sまで育ったので肥育すること自体は可能であった。

大規模繁殖農場における子牛事故率について

母牛頭数の割に子牛の頭数が少ない農場を散見する。大規模農業では事故が多く、死亡率は公表されている1%より高く、実際は約20%ではないかと考えている

[意見]同感である。増頭するよりは予防にお金をかける方が効率が良いのだが、それが理解されない。

[意見]農場の方をどのように説得するかが重要(見解、データ、金額等)

[意見]コストパフォーマンスは説得材料の1つとして有用である。

安福久の母牛の繁殖困難について

安福久の母牛は受胎率が低いように感じるが、対策はあるのか?

[意見]脂肪代謝に異常があるといわれているため、蛋白をうまく利用できない血統であると考えられる。そのため、バイパス蛋白等でしっかりと蛋白を給与した上で、子宮洗浄を行うことで良好な結果を得ている。不受胎で売却されている安福久母牛を購入し、このような方法で受胎させると、かなりの利益を生むことができるので、農家には喜ばれている。

[意見](上記意見に対し)そのような栄養コントロールの技術について、次回本研究会にて詳細にレポートしてほしい。