『農場をうまく動かす大事なもの』                      開業  山本浩通


グループに分かれて、農場の例をもとにその問題点・必要なことについてディスカッション。

1チームワーク

2モチベーション

3マネジメント

4利益

5リーダーシップ

6能力開発

7理念、倫理

7項目に重要な順に順位付けをする。

まずは、個人で、その後グループでの順位を決定する。

その際、多数決や平均で結果を出さず全員の合意によって決めることで、お互いの意見を聞くことができる。

製品紹介

『ボビヌテクト5』  日生研

牛呼吸器病5種混合生ワクチン

京都微研 牛呼吸器病5種混合生ワクチンとほぼ同じ株で、相違点はRSウイルスの弱毒株が異なる

本製品のRSウイルス株:

・日本での従来発生株ではなく、近年分離されている新しい株に近い

・従来株と同等性がみとめられる

同様な製剤が2つ存在する意義:

不測の事態に備えたリスク回避 と 柔軟な対応が可能

現状ではワクチンがない、どうしようもない疾病の発生にご協力させていただきたい。

鶏のコクシには自信あるので牛のコクシにもご協力させていただきたい。

質疑応答

Q、抗体価の上昇について。ワクチン投与後BVD抗体高い時期は1年以上保たれているが、発生があったと考えていいのか。1型と2型で交差性は?

A,牛の個体差もあるとは思う。交差性はある。

QIBRはワクチンではなく感染による抗体化の上昇?どのくらいの抗体かが感染という?

A、詳細はわかない。感染かもしれない。ウイルスの分離時期を把握していない。

日生研も情報が乏しい。

情報をいただけたら、それを還元したい。

『口蹄疫防疫の課題』    開業  池亀

先週72日麻布大学にて口蹄疫シンポジウム   

国からの発表

アジア地域からヒトやモノの移動によって持ち込まれた。

稲わらが原因の可能性は低い。初発農場で飼養していなかった、加熱がなされていた。

初発農場の見直しについて訴えた。

農場主にも発言の機会が与えられた。関先生の誤解が解けた。

今では大規模A農場が原因だと思っている。

中国産稲藁は汚染されていないという報告あり。

初動防疫の重要性。

国としては、伝染病発生時の家畜の焼却処理困難。

侵入経路究明の徹底が必要。

埋却地の環境問題として滲出液の問題がある。

  昨年の口蹄疫から

自己犠牲のワクチン接種

これからも水牛の口蹄疫がどこから来たのかを突き止めていきたい

Q:水は?

A2件ほど匂いが。井戸水は気持ち悪いから買っているところも。検査結果は都合悪いことは発表しないのが国や県の体制だろう。

Q:先生の本のあとがきに、山田前大臣との対談で大手農場の第6農場の話が初発として考えられているが?

A:私はあくまでも噂話として伝えた、大臣はこれを発表していいかといわれた。

(スライド)岡本喜六教授の疫学調査の取りまとめ(HP引用)によると・・

爆心地の写真

大規模農場の写真

家保の立ち入り検査時、ほかの農場とは様相が違っていた。

7例目の農場は殺処分時に半数が治っていた。

6農場の写真、噂ではここに病畜を集めていた。

自分の今までの感想は、国と県の対応は隠ぺいばかり。福島のことにしても・・

稲わらは安いものであったが、3月から国産の稲わらを使い、見えるように置いてあった。

はじめはもと従業員も話してくれたが今では口を閉ざして何も話してくれない。

初発が水牛なのは、サンプルの証拠がある。

例の農場のとなりの農場にサンプルを取りに行ったが口蹄疫ではなかった。

広島の先生の話では、中国では稲わらの検査を動衛研の人がいるが、金と女をあてがわれているらしい。

農工大の先生によると11年前の発生も宮崎が最初ではなく、鹿児島の不活化ワクチンが原因らしい。

今回の口蹄疫も県は隠ぺいするつもりだった。

一例目とされている農場の黒木さんに電話があった。

こちらから家保に検査を依頼したのに、逆に家保から検査にいって開業の獣医が隠そうとしたといわれてる。

最初に名乗り出るとバッシングされるから、誰も名乗り出る人はいなくなるのではないかと思う。農家であれば名乗り出ると思う。その土地に昔から住んでいるから。

しかし経営では違う。

Q:11年前は鹿児島が隠ぺいしたと言われたが本当か?そんなにうまく隠せるものか?

A:隠す力があると思う。

――以前、口蹄疫のような例があったという話が・

――東京農工大の先生がテレビの前ではっきりそう言った。

Q:浸出液について、農水省から現場がどうなっているかという電話があった。埋却方法に違いがあったのか?サーベイランスがあるのか?

例の大規模農場の新規導入は?

A:浸出液は豚が特に・・

あとからは出てこなかった、埋める深さと重さ

3m盛らなくてはいけない。サーベイランスあるが発表されない、都合悪いから。もともと飲み水ではない。

A牧場の導入は6、7、8はまだ入っていない。7、8は難しい、地元から反対されるだろう

Q:北海道で埋めたところは水がくさくて倒産したらしい、国に賠償求めたが負けた。

川南の復興状況?

A:3〜4割ほど戻っている。頭数は3割いってない。

補償金はあと一軒、3月にはもらっている。早くもらったところもあるし、遅いところも。

私の顧客は、再開した件数は3割くらい自分より年上。補償金が結構良かった。

今更投資しない。あれほど消毒をうるさく言われたらやる気をなくす。

私たちも義捐金をもらったが一回きり、週に23回仕事があるかどうか。繁殖障害ではじめ呼ばれたが、ニンカン後36月はパタッと仕事がない。子牛が生まれるので期待。

Q:殺処分の手当ては?

A:もらえたが、後になってから。

県に頼まれた分はすぐもらえたが、志願していった分はこちらから言ってからもらった。

Q:今の川南は?

A:たしかに口蹄疫前よりは・・しかし夢がある。開拓の街だから考え方が違う。

じぶんも開業した手で受け入れてもらえた。

活気はある若い人たちなど、私は以前ほどは戻らないと思うが、やはり畜産の街となると思う。兼業農家は切り替え早い。畜産再開を考えていない兼業農家は多い。今が踏ん張りどき、みんな横一線で並んでいる。

難産で呼ばれたが晩酌していたので断った。それから禁酒。

11年前の話までして皆さんに不愉快な思いをさせたがすいません。私たち臨床家は体を張るが、県や国は隠ぺいのために体を張る。

先ほどの山崎准教授のあれも国は見向きもしない。動衛研は自分たちの威厳を守るため。



『白血病について』    

症例1

10カ月

耳根部の腫脹が特徴 抗生剤治療により、他の症状は治癒したが治らない

重度の貧血と起立不能で、血液検査

子牛型白血病、白血病抗体検査は−、剖検でリンパ節腫脹

母牛も一緒に抗体検査

症例2

慢性鼓張

リンパ節の腫大が体表から触知

血液検査で、白血球過剰 リンパ球増加

剖検で腹膜炎

白血病→腹膜炎→鼓張症

症例3

抗体検査+

問題提起

抗体検出キットが必要?

A、キット3万円(2300サンプル)で抗体陽性か陰性は出せるが、抗体かまで出そうとすると高価。カウサイドでできる検査ではない。

白血病が疑われた後の対応は?

出荷してしまったほうがよいのか。詳しい検査を進めたほうがよいのか?

A,全廃より共済廃用だと農家の損失少ない

質疑応答

Q,他の牛の検査は?川南では導入全頭で検査をしているが、3割ほど陽性。

A,基本的に全頭検査はしていない。ある農家で50%の牛で陽性の経験あり。

 全国的に浸潤率は高い印象をうける。

Q,白血病、ヨーネなどフリーの農場を目標に、ニュージーランドから導入推奨していると聞いたが。

A,いまは、北海道など国内からが多い。

Q,白血病ワクチンの開発は?

A,開発していたが、市販されるまでになるには望みがうすい

○いまの飼養形態で、白血病の清浄化はむずかしいのでは。

○耐性遺伝子(発症しにくい遺伝子)の存在が研究されていて、種雄牛の選抜の時点で応用できるのでは。

『ボツリヌス中毒死』   開業   赤星

1キロ以内の2農場で、9頭死亡 1頭廃用

ボツリヌス 末梢神経の神経接合部に作用して、神経毒として知られている

呼吸困難などで死亡

症例1

78カ月齢

元気消失 起立不能 

剖検 脾臓白斑 肺のうっ血 腎臓腫大 肝腫大 心筋肥厚

餌が原因か 眼球陥凹

症例2

脾臓白斑 肺うっ血 心臓うっ血 第1胃潰瘍 胸腺腫大 小腸潰瘍 胃内容物普通

症例3

突然死

呼吸困難(はじめは重度の肺炎を疑う)

皮下に点状出血 胸腺腫大 

症例4

結膜充血 症例3と同居牛

呼吸困難

上記のように、突然死が続いたが

餌変更により、同様の症状を呈する死亡は止む→中毒を疑い検査(始めは、原因不明で帰ってきたが、3度目ほどで、胃内容物でボツリヌス陽性)

発生農場について:のこ屑の横に乾燥したTMR、餌を通路に直置き、運動場は常に泥状

ボツリヌス以外に大いに問題があるのでは。

状態が悪いウシで、診察するために動かすとそれだけで死亡してしまう牛もいた

肺炎 肺気腫 肋膜炎 肝膿瘍 肝うっ血 腎充血あったが、食検で廃棄されたが指示なし

種子島ではボツリヌスは毎年のように起こるらしく、Eメールでディスカッション

参考:去勢後の腫張は、出血

Q,本当に餌が原因のボツリヌス中毒なのか?

A,TMR変更後おさまった事実しかない。餌の保存状態が悪いが、中にカラスのフンが混じったなどはないと農場主は話している

Q,胃内容だけからしかボツリヌス陽性でていないが、腸内容、カラスからも陽性でるのでは。

A,カラスの陽性率もわからないので、そういうこともあるのではないか。家保もほかのウイルス感染症の可能性もあると。

Q,ボツリヌスだと一度に56頭、急死するイメージで今回とは少し違うようだが。

A,そんな気もするが、呼吸器疾病なんだろうか。3頭目だけボツリヌス陽性

Q,飼養形態は

A,セリ前の7~8カ月齢の牛は、離乳後から同じ場所に入れる。農場内にカラス侵入してくるためカラスのフンが直接かかることもある。

Q,IBR抗体価が高いが感染の有無は?ずっと力価が高く、抗体の上昇はないのだが。ウイルス分離はされない

A,検体採取前に感染があったということでは。

Q,ワクチンによるショックとはかんがえられないのか。被害がでている最中に検体採取・検査を頼み抗体力価は高いのに感染ではないというのは納得できない

A,ワクチン接種前の子牛から経時的に採血し、接種後の抗体価の動きをみて原因究明するしかないのではないか。

A,抗体価だけの診断は難しいと思う

Q,白血病などでは抗体価だけで陽性・陰性を出しますよね?

A,何千倍にもあがるのであれば、短期間で何度も感染があるというかウイルスが動いているのだとは思うが。やはり、検査をうまく活用された方がよい

Q,TMRつくったところとのやり取りはあったのか

A,農場主から事実だけの報告はした。風評被害防止のためはっきりしたことが分かってから。

Q,薩摩半島でボツリヌス発生の報告が多いように思われるが。

A,そうであろうが、表面化していない。BLVのようにIBRBVDもじつは蔓延しているのではないか。

『牛毛胞虫による皮膚病』

去年発生した農場で、また今年も発生している。

アイボメック、デキサメタゾンで治療すると治るが。原因は何かあるのでしょうか。

アイボメックで食欲不振になる牛も多く、難しい。肥育農家で大発生したこともあるが、肥育農場では基本的に無処置

Q,以前、切り藁を使った農場で、コナダニ検出されたこともある。大発生であれば、エサ関係も考えられると思う。

A,ロールで給与。切り藁は使用していないと思う

『アーノルドキアリ奇形』  開業   佐藤

生後起立できない 頭を振る 眼球不揃い

ミルクのカテーテル給与

ビタミン投与 栄養剤投与 点滴

涙洞からミルク吹き出るため廃用・剖検、異常産ウイルス感染ではなく奇形と判明

キアリ奇形とは:小脳が環椎内に侵入し、神経症状を示す

生体のまま廃用申請かけて奇形であると、共済から共済金を診療獣医師にたいして支払われない=治療方針が違うと判断されて共済金おりない

Q,キアリ奇形により起こりやすい水頭症・脊髄の中心管の拡張はなかった?

A,担当者に問い合わせます

Q,バビ、後くに特徴的な所見がでるのでは?

A,今回はみられなかったと思う

Q,共済から一銭もでないのか

A,家保にだす前に、奇形なら診療代でないとクギをさされた

Q,虚弱子牛多いようだが、他より自家哺乳が多いことはないか?

A,他と比べて特別多い様なことはない。比較的衛生的で、分娩は正常。ワクチンプログラムを考慮に入れている。もとは地域の優良農家であったのに、去年の死亡率が極端に高い。原因を模索中

A,以前、下痢ワクチンにも効果を示さない農場の経験がある。

抗ミューラー管ホルモン『AMH』  宮崎大学   北原

抗ミューラー管ホルモン(AMH)とは:セルトリ細胞、下流膜細胞から分泌

潜在精巣との関係:hCG負荷試験よりも確実

顆粒膜細胞腫との関係:発情の異常(無発情、思牝狂型など)、対側側の卵巣萎縮

診断は、摘出後病理診断でのみだが、10cm以上の卵巣、超音波診断により疑う

腫瘍摘出後、反対側の卵巣が動き出す

○内分泌

AMH;顆粒膜細胞腫上昇、嚢腫、過排卵処置、黄体期より有意に高い

テストステロン、エストロジェン、プロジェステロンでは判断がつきにくい

○組織

免疫染色により、顆粒膜細胞からAMH分泌が確定

新プロジェクト

実験動物の子宮環境評価モデル

子宮内温度

子宮角温>子宮体>直腸温度>腟温度…外気との連絡

外気温と体内温度の相関あり(直腸温よりも子宮温度)

Q,体温が高い時はやはり子宮温度高いのか

A,子宮内は一定に保たれるという報告があるが、暑熱期にはやはりあがるように思われるため、今後測定予定である

Q.いつ体温を下げる処置(水浴びなど)をしたら受胎率低下に効果があるのか。AI?着床?

A.そのような処置でどの程度体温が下がるかから検討が必要。今後研究していきたい

Q.顆粒膜細胞腫の摘出以外の治療法はないのか

A.今のところないと思う。

Q,嚢腫との違いはどの時点で分かる

A,サイズなど指標はあるが診断的治療として摘出後の病理診断しかなかった。しかし、今日紹介したAMHで分かるようになればと思う。

Q,どのように子宮内温度測定したのか?

A,人工授精器のような金属製の温度計を用いて毎朝同じ時間に測定

Q,温度へのエサの影響は?

A,どの程度あがるかデータはないが、影響があることは確かなので給餌前に測定

Q,ホルモン値のSDが大きいように思ったが、組織像・超音波像との関連はみられるのか

A,免染は手技の精査が必要。超音波との関連はなかった

「大動物CTの実際」宮崎大学 佐藤

CTでどういうものが見えるのか話したい

大動物CTは、診察台は動かない、1トンまで耐えられる

口径が広くなった

本来は肉質評価での利用

さしと皮下脂肪の違いなど明瞭に判別

骨付近の肉質評価はできるが、生体の場合はまた異なる

気管挿管して吸入麻酔、台に乗せる

撮影は準備含め一時間ほど

撮影自体は短いが準備に手間取った

実際さしなどが見えるのか、また撮影範囲など検討中

臨床での使用例

左側前頭洞が膿で埋まっていた

PCで距離を測り、どこに穴をあけるか決定後手術

l        左鼓室包の膿瘍、鼓室穿刺

l        水頭症、脳脊髄液から診断できるか検討中

l        右骨盤低形成

l        子牛大腿骨頭脱臼骨折

l        脳、髄膜瘤

l        潜在精巣の探索、造影材の使用量や影響など検討中

Q胃内異物やロープは?

A区別つかないので検出は厳しい

Q吸入麻酔はイソフル?

Aキシラジンを前投与

Q牛を釣り上げて動かすときは?鼓張症などは?

Aカフによる圧迫障害があることも、鼓張症なることもあるので胃にチューブ

Q:肉質評価は現場で超音波診断装置を用い行われているが?

A:超音波診断装置よりは詳細に見える

Q:実際に金額は?

A:1万ほど

犬猫は2,3万

Q:蓄膿症はあんな感じで見えるのか?

A:治療前後では一例

Q500キロほどが限界?

A全身は500キロが限界だが四肢だけなどなら行けると思う

「尿膜管遺残症」  鹿児島大学 窪田

年配の先生方はこんなのは知らんと言われたりする

症例1

十か月齢

尿中に膿がみられた

尿膜管嚢胞だった

術後経過

渋りみられなくなって退院

症例2

3か月齢

一か月前に臍帯切除

排尿時に疼痛、しぶりがみられるため膀胱炎疑いで来院

尿カテーテル、X

尿膜管瘻

尿膜管切除術

症例3

12日齢、臍帯が腫れている、ミルク飲まない

体表からエコーあてて尿膜管を確認

尿膜管瘻、尿膜管切除

腸管の癒着が激しく時間かかった。

術後2日で哺乳

9日目で起立困難、10日目で死亡

膀胱周囲に癒着腸重責

症例4

九日月齢、尿に海が混じる

白血球上昇

開くと尿膜管遺残していたが内腔は閉じていた、膀胱内洗浄

腎臓までいっていることが多いが、左腎異常なし

頻尿と排膿が止まらない

薬感、廃用

右腎臓がひどかった

まとめ

1は、売れた

3は腸重積

NOSAI支所での臍ヘルニア、尿膜管遺残発生率増えている

切除術の際にエコーで両方の腎臓を確認するべき

腸の癒着

薬感を適宜

質疑応答

Q:4では手術はどこから?

A:傍正中

最初に臍からで、どこまで悪いのかを見つつ広げていく

Q:麻酔は?暴れないか?

A:キシラジンのみ、追加注射しながら

縫うときは足を閉じて

Q:こうならないような対策は?抗生物質は?

A:臍で終わらなかった奴がひどい

Q:4は腎障害が出ていなかった?

A:反対側が代償していた

Q:他の地区からは来ないのか?

A:来る、今回さまざまな月齢や種類だったので、学生にまとめさせた。

Q:今回の菌は?

A:G(+)、球菌

ほとんどブドウ球菌

Q:腸管が出るのでは?膀胱破裂の肥育など。

A:一胃の容量を減らす。かき分けて行う。

―――肥育の膀胱破裂は商品価値あるのか?

   うまくいった

Q:癒着防止材は?

A:コンドロン系で製造中止、補液で膀胱動かすように心がけている

もう一つの症例

黒毛和種 雌 5月5日生まれ

12月14日 NOSAIに受診

耳介、眼周囲皮膚肥厚科学胸水に腫れ

ふけひどい

来院時 皮膚、糞便、血液検査

4日目に下顎のエコー

生検

肉芽種

下顎線または耳下腺の導管に異常があり、炎症反応

5月19日に右側頬部の耳下腺下顎腺切除下顎腺導管に浮腫、貯留物は唾液と判断

術後経過 採食量回復

まとめ

ガマ腫様だった。唾液の排出量が減ったので、影響あるかを1カ月見たが大丈夫だった。

皮膚病は原因分からない

導管の切片切っておくといいかも

Q:皮膚病は、病院食になったから治ったのでは?

A:他の育成に出ていないし、病院食といっても濃厚飼料もガッツリ食べさせている。

全体での質疑応答

Q.現場でAI師。頸管内でストロー融解させるし、受胎率はそんなに悪くない

A,精子濃度から考えれば、有効精子濃度が変わらない限り受胎率は変わらない。受精卵移植では成り立たない。1つしかないから。-198℃〜37℃まであがる間1700℃/minで湯のなかでは融解するが、20℃以下での融解では速度が落ちて問題あり。凍結は段階的に徐々にするのに融解は一度にしていいのか。それは、-30℃までの話でそれ以降は急速凍結。融解はその逆なので最初に一気にとかすべき。(窪田先生)

様々な融解法でも1%前後しか受胎率変わらないということもあり、温度感作に何度もさらされるよりは腟内の方がいいという人もいる(池亀先生)

空気下では、5秒で200℃くらいあがり、たまたまちょうどよい(窪田)

腟内と温湯融解は受胎率変わらないが、水融解でぐっと下がるとAI師の情報

一部のAI師が頸管内で1分融解していた時もあったがやはり受胎率は変わらないといわれていた。ただ、暴れる牛の場合、子宮内に損傷を与えるかもしれな。

細胞質がほとんどないので精子は、凍結融解に強い細胞ではある。細胞膜は障害あるが、他の細胞より強いことは確かだろう。

Q,授精部位によって受胎率は違うのか

A,子宮体と子宮角では変わらない。精液性状、牛のコンディションなどにより変わるのでは。無理して奥まで挿入しなくても受胎する奴は受胎する。逆に子宮内膜をいためるため、よくないこともある。

Q適期授精について

A,卵子、精子の受精能保持時間が重なる時間が適期であり、半日ほどあるので、AM-PM法で十分だと思う。

Q,皮膚病は、どう診断していくのか

A,丘疹性のものの先に浸出液あり、ハゲ、辺縁がしっかりしないもの

→アイボメックが第一選択薬

経過がながいものは動噴で洗浄したり、ステロイド

アレルギーによるものが多いので、原因をみつけて取り除く

外見、形状、発生季節などにより鑑別の助けにする。大きさよりも形状

・飼料疹、差しバエによるものもある

・飼料疹のほうが多いと思うので、アイボメックはほとんど使わない。抗生物質とステロイドをよく使う

・皮膚病がでる農場とでないところは両極端であると思う。ストレス(衛生面、日当たり、栄養など)の関係では。

・セリ前の皮膚病はわりと治療しやすい印象