「フリーマーチン牛の受胎? 本当かな??」         

宮崎大学農学部獣医学科 獣医臨床繁殖学講座

教授 上村俊一

・牛の異性多胎の場合、雌胎児の9割が正常な性分化が起こらず、先天的な生殖異常を起こし不妊症となる。膣前庭以外の生殖器は形成不全、膣長は正常牛の3分の1以下、卵巣は発達せず、肥大した陰核などを持つ。

・    胎児期の血管吻合による血流の交換によって、雌胎児体内にY染色体が流入する。この

Y染色体上のSRY遺伝子によって雌の分化が妨げられる。

・しかし、ドイツや日本でXXXYキメラを持つ雌牛の受胎例あり。これは胎児期の血管吻合が、雌雄の未分化性腺がそれぞれ卵巣と精巣へと発生学的に分化する妊娠40日以降に成立したと考えられる。そのためHY抗原やAMHの影響はなし。

・2007年3月より、熊本の4か月齢のキメラホルスタイン雌牛に卵巣負荷試験実施した。卵胞は出来たが排卵はなし。卵胞は発育し、E2濃度は上昇した。将来、繁殖牛として利用価値ありの可能性認める。染色体検査より少ないながらもY染色体を確認した。

・2008年5月24日キメラホルスタイン雌牛に初回AIを行った。その後、受胎を確認。

結果、キメラ雌牛も受胎の能力は残されているといえる。

*質疑応答(体験談含む)

A1:膣の長さ、発情が見られないなどから、キメラと思われた雌牛に排卵注射を打ち、AI後受胎を確認できた。その後、正常分娩。染色体の検査はしていない。

今まではフリーマーチンは繁殖には使用不可としてきた。

A2:フリーマーチンの雌に農家さんがAIして受胎して正常分娩した例あり。

「牛用のNSAID[メタカム2%注射液]について」 

あすか製薬株式会社 アニマルヘルス部

メタカムは選択的COX‐2阻害薬で、牛肺炎に一回の皮下投与で、臨床症状の速やかな改善と、持続効果による高い有効性、および、生産性の向上をもたらすものである。

子牛では消化器病や呼吸器病が経済的に不利益をもたらす重要な疾病であるため、その治療に役立つ薬剤として紹介。

特性としては、
@炎症や外毒素による症状のコントロールを行い、成長抑制の限定化を行い牛の回復を助ける
A1回の投与で速やか、かつ持続的な効果をもたらすためコスト効率がよく、損失を食い止める
B低用量を1回の投与でよく、静注・皮下注が可能で労力が軽減される
C組織に優しく、COX-2選択阻害剤であるため副作用が少ない、などが挙げられる。

このため、抗生物質投与に付加的に用いることにより、臨床症状の回復が早まり、炎症による不可逆的な組織損傷を防ぐことができ、治療後の増体量にも影響を与え生産量をあげることができる。

また、フィードロットシステムのような諸外国の生産システムでも効果を得ることができる。

*質疑応答

Q:早期離乳による免疫低下の子牛で肺炎や下痢となり、ヒネ牛と判断されるような牛にでも効果があるのか?

A:初乳を十分に飲ませ、早期発見を行って抗生剤との併用を行えば、最終的な生産性の向上につながる。

Q:アミノグリコシド系抗生物質などとは併用できないのはなぜか?

A:カナマイシンなどは腎毒性があり、COX-1を強く阻害してしまうため。またヨーロッパでは、一般的に定められた記載事項でもある。また2週齢未満の牛で副作用が見られたことはないが、その安全性のデータを提出していないため記載せざるを得ない。その他の薬剤とほぼ同様の制限事項である。

Q:静注においてフォーベットよりも牛での血中濃度半減期が長いのか?

A:その比較は行っていない。

Q:他の製剤(ステロイド)との組み合わせにより、副作用はないか?

A:他の製剤の血中濃度が低下した時に、投与したほうが望ましい。

 薬理作用からは副作用は起こりにくいといえる。

Q:今までの鎮痛剤は1日半くらいでまた子牛が痛がるので、メタカムを使うことも視野に入れようと思う。

A:まだ出回るのには1年ほどかかりますので、ご容赦ください。

 症例  脂肪壊死症  直腸断裂               開業   蔵田

食欲、排便廃絶の初産(大きな子牛)の産後牛の直腸内壁に多数の脂肪壊死確認(肛門より奥の方)。予後不良と考えつつ、一ヶ月間の治療ののち、食欲やや回復、便は下痢便。その後また食欲低下。治療中止ののち二日後に死亡した。何か他の先生方でこのような経験があり、予後回復をみた例はないか?

A:直腸断裂疑いの牛に縫合を試みたが、予後不良。予後回復の例もある。

肥えた育成牛の繁殖は脂肪壊死による直腸断裂・破裂などが起きるため、太らせないことを心がけている。早いうちに発見し、溜まった便を出して、絶食させつつ膨らんだところの回復を待てば予後は良いかもしれない。

「腸捻転の対処法」                  開業 君付忠和

・腸閉塞の種類として、胃・腸捻転、腸重責、異物、胃腸破裂などがあげられる。

種子島のカルテでは、その中でも腸捻転が86%を占める。捻転部位は小腸が多く、右方向が多い。

・腸閉塞は100日齢以下の牛で多く、過食、寄生虫、活発な運動、異物などの原因が考えられる。プロトゾアの発生は1か月齢くらいから始まり、100日過ぎると第一胃の容積が増大し、プロトゾア数は100万/ml以上に安定する。そのため、100日齢以上で腸捻転が少ないのかもしれない。

・症状は急性例が半分を占め、下痢併発例も間々見られる。パドリン投与後仰臥して揺さぶるのが一般的治療法。鎮痛剤・揺さぶりにて2〜3時間変化が見られない場合、手術へ。

全身麻酔にて、正中線・左右腹側切開。術後管理にての補液は生食が望ましい、リンゲルだと死亡例あり。デキストランは貧血時に有用。強心剤、血栓防止剤も用いる。

スタドール(ブトルファノール)は4〜5時間の効果で、術中の鎮痛に使用。リマダイルを術後使用。疼痛管理が大切である。

・手術時は嘔吐時の吐物の気管内侵入を防ぐため、気管チューブを必ず入れる。ケタミンでは嘔吐がなく、気管チューブを入れることはないかも。

・第四胃捻転では腹囲膨満、へたり込み、打診で金属音認める。正中線・右側切開ののち、ガスを吸引機で抜いて、捻転部位を整復。その後四胃を固定。

・腸重責では疼痛の訴えが弱く、血便、しぶりがみられる。

・腸捻転では腹部を蹴り、へたりこむ、血液検査ではあまり変化なし。肝円索や尿円索を巻き込んだ捻転もあるので、癒着部位を奇麗に?して整復しないと再発する。小腸捻転による血栓ができることもあるため、へパリンを使用することもある。

*質疑応答

Q:へパリンはどのくらい投与してるか?

A:適当。

Q:診断した牛のうち、開腹するのはどれくらい?

A:年に5〜6頭。多いときで10頭前後。

Q:多発農家はある?

A:あることはある。子牛が貧弱で捻転が多くみられ、予後不良がほぼ確実のため切らない方が良い農家もある。

Q:初期症状での下痢症状に対して、農家への飼養管理の面でアドバイスしているか?

A:下痢に関しては、寄生虫、親の飼養管理、普段の飼養管理に対してのアドバイスはしているが、厳しくは言ってない。下痢と捻転の因果関係はよくわからないため、捻転に関するアドバイスはしていない。

Q:0日齢で発症が見られるとはどういうことか?

A:生まれた日に腹痛がみられ、腸捻転しているということ。切っても予後不良。

Q:偽膜性腸炎での、便秘になっている部位はどう治療すれば良いか?開けるべきか?

A1:開けたことはあるが、切開部位が腐敗して死亡した。中の詰まりを肛門からとれば、出血する。しかも腸が皮一枚になるので、予後不良。結腸を切り出した方が良いかも。

*捕捉 スタドールとリマダイルの併用において、副作用はみられない。

    術中は皮膚からの出血が多いので、こまめな止血と洗浄は大事。

    ケタミン(静注・点滴)とセラクタール(1〜3cc/100s、筋注)の併用が良い。

「突発的に原因不明の疝痛症状を示した黒毛和牛の一例」

(有)シェパード中央家畜診療所 蓮沼 浩

黒毛和種雌育成牛において、尾と耳を振り激しい運動、食欲廃絶、発熱発汗、第一胃運動停止、排便あり、排尿時に激しい疼痛あり。疝痛の疑いがあり、パドリンを投与後変化なし。抗生剤投与後も変化なし。2日目、症状落ち着くが、まだ疝痛症状あり。デキサメサゾンとペニシリンで3日目まで治療。磁石を飲ませる。4日目、再び初診時の症状を再発。プリンぺラン、エンゲマイシン等で治療。CPK,GOT上昇。5、6日目抗生剤とステロイド剤で経観。7日目再び初診時の症状再発。右腱部に有響性金属音を認める。抗生剤と鎮痛剤投与。8日目硫酸マグネシウムと薬用炭。

9日目症状は落ち着く。ピング音認める。10日目抗生剤等投与。以降再発なし。

総じて薬に反応はよく、通過障害等は認められないが、はっきりとした原因は不明である。

*質疑応答

Q.直腸検査はしたのか?

A:他の先生方に診てもらったが、異常はなかった。尿検査はなし。

Q:月齢は?

A:9ヶ月と12ヶ月齢である。

Q:導入の時期は?

A:導入してすぐと2〜3ヶ月後である。

Q:二頭目の治療は?

A:抗生剤とサルファ剤のみである。

A:カビ毒での腸炎で、親牛でもそういう症状がみられることがある。

  原因は自家配合飼料の給餌と思われる。ビタミン剤の大量投与で収まった。

  時期によっては餌の食い残しを食べてなるという場合もある。

0712月陰のう炎 外尿道口迄化膿」 

NOSAI南薩 赤星隆雄

 去勢和牛育成牛の陰のうが腫れあがり、尿道から排膿。牛自体は症状なし。徐々に腫大。外尿道口前方にも腫れ認める。陰のう内に膿はなく、尿道からは膿が出る。アレルギーを疑う。別の去勢牛で、精索の腫大が認められ切除、化膿はなし。注射での腫れが顕著であった。別の牛に環境不衛生牛舎で陰のうの腫れが見られ、虚勢を施し抗生剤投与。

*質疑応答

Q:最後の牛の月齢は?

A:250日齢くらい。

Q:肥育牛で5例見られることがあったが、去勢でする時みんな絹糸であった。

A:絹糸を使っていた。

A2:ナイロンを使う所もある。

Q:切り方は?

A:陰のうの前面を二か所切っていた。

A2:前面よりも一番下の先端をメスでなく鋏で最小限の切り口を入れるのが望ましい。終わった後マイシリンを陰のうの付け根くらいに10mlずつ打つ。そうすると治ると傷の場所も分からないくらいである。普段はバルザックを用いることが多い。去勢失敗の後の、再手術には費用がかかる。一回で確実に去勢を完了すべきである。

Q:血腫はあったか?

A:血が止まらないのはいたが、それが原因となったことはない。

A:バルザックでは挟んだあと更に力を加えて1分以上挟んでおくのがよい。

「脱腸」                                 

もともと膣脱があり、脱腸。そのまま中に入れる。しかし、中に入れた後予後は良いのだろうか?

*質疑応答

A:膣脱で壁に擦りつけて脱腸が起きたことはあるが、子供は取れたこともある。

A2:犬やタヌキがいるようなとこでは危ない。

A3:脱腸したままでも親牛が生きていれば、屠殺はしてもらえる。

Q:直腸は大丈夫だったか?

A:大丈夫だった。

Q:子牛はどうしたのか?

A:仮死状態だったかもしれないが動かなかったので死産とみなした。

親も生きてはいたが、その場で安楽死。

A2:子牛も取り出して、生かす方向の方が良い。

Q:膀胱も出ているのか?

A:膣とともに膀胱が出ていることもあり。

CL16の可能性 腎不全」

臍帯腫大・下痢の子牛、腸炎を疑う。前足の伸展あり、その後死亡。餌は食べていた。腸の出血あり。なぜ足の伸展があるのだろうか?

*質疑応答

Q:血統は?

A:不明。

「白筋症新生児死の原因探索」 

心臓の色が左右で異なる。肥育牛舎にいた。

*質疑応答

Q:生まれてすぐに死ぬのか?

A:一か月齢くらい。ビタミン剤をずっと打っていた。

  対策をとり続ければ生きているが、抜くとすぐにVE値が低下。親にもビタミン剤投与。

Q:母牛の餌は?

A:購入乾草と配合飼料。青物はあげていない。

Q:下痢はある?いきなり死ぬのか?

A:間々あって、発見に至る。

Q:母牛のBCSは?

A:2.5〜3.0

Q:そこの農家は何も飼料を作っていないのか?

A:全く作っていない。

Q:購入飼料に問題が?

A:購入飼料の問題ではないと思う。

Q:水は?

A:地下水を使用。今後水質検査も考慮に入れている。

  硝酸塩はあまり影響ないと考える。

Q:母牛の受胎率は?

A:セレン酵母剤を使い始めてから、すごく良い。8〜9割は一回で受胎。

 

「骨損傷とギブス期間の検討」

ホルスタイン成牛で右前肢の繋ぎに力が入らず、3本脚で立っていた。肉離れあり。ギブス処置。一ヶ月間後、ギブスを外すと足が棒のようになったままである。このような牛にギブスは有効か?

*質疑応答

A:骨端線の前方へのずれが見られるため、脱臼ではない。成長板のところが外れている。レントゲンで確認後、麻酔処置後その外れた部分を整復したのち巻いた方が良かっただろう。けれども今回はギブスだけでも固まったようだ。普通これほど大きな牛ではギブスでくっつかないため、今回ギブスで固まったことを好運に思うべき。そのままであったらば痛みは激しかっただろう。ギブスを巻いておく期間は場合による。

「着任のご挨拶と黒松内町の事情を通して」

                   宮崎大学農学部獣医学科 獣医臨床繁殖学講座 

助教 北原 豪

・    北海道の後志共済の南部診療所にて勤務していた。管轄していた黒松内町は乳量の出る時期の牛が少なく、老齢の牛が多い。死廃事故では乳熱・ダウナー・乳房炎などの産前産後の疾病が多い。牛の遺伝的能力の効果は伸びているが、飼料環境は良くない。

・    疾病が多いのは必ずしも乳量の影響とは言えず、搾乳衛生の管理が大事であると考える。搾乳時に乳頭を刺激し、乳を張らせれば搾乳時間は短時間で済ませることができる。乳頭口が痛むのは搾乳時間の延長や不必要な泌乳刺激が原因にあげられる。

・    なぜ乳房炎の菌が入り込むのか?それはライナーへの空気の流入・ドロップレッツなどによるミルクの乳頭口への吹上げなどにより起こる。乳房炎多発の原因としては、多頭化による観察時間の延長、暑熱ストレス、乳牛の生理など色々な原因がある。移行期と呼ばれる時期の栄養面の充足が大切である。

「胚移植サービスを1年間実施して」

 鹿児島大学農学部獣医学科 臨床獣医学講座 獣医繁殖学分野 准教授 窪田 力

これからの産業度物獣医師は受精卵移植技術に対応できなければいけないと考えるが、大学でET技術に対する専門教育は行われていない。

今は、農家から依頼を受けて採卵+授精を行っている。
回収した胚の内、正常胚は5割強くらいである。
種雄を見ると公的に管理された雄牛の種は精液性状が良く正常胚率が高い。
またホルスタインでの正常胚率は高めである。
農家さんによって、回収した胚は販売・自家使用・保存などである。
自家飼料で青草を含めたものを給餌している農場では、1頭あたりの正常胚数が多い。
ビタミン等考慮しつつ給餌する方が卵はよく採れるのではないか。
正常胚の回収率が高い牛が絞られてきており、回収率も上昇傾向にある。
正常胚率の向上、慣れない方への対応、凍結胚の有効利用、ET産子の分娩から育成までの管理、獣医師・移植師への技術指導を目標に努力している。

「黒毛和種雌牛へのホルモン処置〜発情同期化と分娩誘起」 

・自然哺乳の牛よりも早期離乳の牛の方が子宮の回復に日数がかかる傾向である。しかし自然哺乳だと排卵は遅れる傾向にある。それでは分娩後何日目から発情の同期化は可能であるか?

・    早期離乳の牛にGnRHを打っても子宮の回復は早くならない。自然哺乳だとGnRHへの反応は悪く分娩後20日目にならないと効かない。しかし、早期離乳でも自然哺乳でもPGCIDRの利用は空胎期間の短縮を望める。

・    黄体の面積は妊娠していなければ15日目くらいから減少してくるが、妊娠していればそのまま面積は保持される。その違いから、20日目くらいでの早期妊娠診断は可能である。具体的には、AIしてから14日目の黄体の面積と20日目の面積を比べて30%減少が見られれば、妊娠はしていないと見なされると考える。それにより早期診断によるGnRHでの治療が可能となる。

9.質疑応答(意見を含む)

Q:窪田先生へ。正常胚を実際に移植される場合、正常な受胎率はどれくらいか?

A:回収した胚は農家さんに返しているため、その胚の行方は8割方不明である。また、まだ保存されたままの状態で使用されていないものも多い。その使用法についての指南も検討している。また移植する人によっても、農家によっても差がある。

Q:窪田先生へ。双子をとろうとするために胚移植をするところもあるが、成功率はどうか?

A:条件が良ければ3割の成功率はあるが、農家さん側の事故もあるため成功率は変わる。

Q:窪田先生・北原先生へ。鹿児島では授精師と獣医師が分業しているため、これからは獣医師も自信をもって人工授精ができるようになるべきである。それができれば、胚移植も広く普及できるだろう。乳牛では今厳しい状況がある。繁殖では飼料代があがったといっても正しい飼養管理によって経営は大丈夫だろうと思われる。このような状況の打開策などご意見があればお聞きしたい。

A:今は一つの牛舎で長命・年産を目指す方が望ましいのではないかと考える。

ある面では、妊娠牛を買った方が安い場合もある。しかし、長期の経営を考えれば長命・年産を目指すのが良いのではないか。今は経営にコンサルをいれる農家も増えているため、農家の意識もあがっている。だからこそ、獣医師は農家の利益が上がるように、農家が経営向上のため余分に掛けたお金以上のものを生み出す努力をすべきである。

Q:窪田先生へ。リピートブリーダーの問題点などは?

A:繁殖障害の牛で処置の選択肢がない場合は、正常胚が採れるか採れないかで今後の判断を決めるのが良いのでは。

Q:なかなか受胎しない牛には廃用の診断を下さず、胚移植を勧めた方が良いのか?

A:場合による。

Q:片方の卵巣にしか卵胞ができない場合、なかなか受胎しない。それはなぜか?

A:左右の卵巣からの採卵で片方からしか採れないことはある。卵子の下降の障害・癒着などがあるのかも。

QETを使用して後継牛を作る農家はいるのか?

A:いる。雌牛の血統を外に出したくない農家はETを依頼する。

Q:北海道で白血病キャリア牛を入れないための対策はしているか?

A:着地検査でヨーネと白血病の検査をしている。しかし、国や道の補償はない。淘汰なども難しい。個人個人での入れない・出さないの意識とバイオセキュリティーの強化が大切ではないか。

A:酪農農家で白血病マイナスのところはわずか。今は黒毛でもキャリア牛は多数いる。

Q:北海道では黒毛の白血病はどうか?

A:問題になっている。着地検査して+の時は淘汰ランクを上げる様、勧める。

解決策はわからない。

Q:白血病マイナス牛ばかりで、牛の移動がないところでは牛の胃汁の原虫の多様性がなくなる?

A:原因は不明である。

Q:初産の牛で子牛を引っ張って出したら、膣が20cmくらい裂けた。5日後くらい置いて縫った。化膿はしていた。どういう処置が良いか?

A:お産後すぐ縫うのが良いだろう。

Q:お産後、母牛が死ぬ原因は?

A:お産時に子宮破裂・腸の断裂による死亡例ある。対策として外観からは発見できないが、内出血の場合は呼吸が速くなるため、補液を開始することもできる。止血剤も同時に投与。

回復例あり。

Q:膣の断裂を発見するポイントは?

A:大きな子牛を出した時は腸の断裂、膣の断裂をお産後確認するようにしている。また、膣の断裂を発見した場合はすぐ縫合する。

A2:エストリオールを打つと膣が裂けないようだ。