ビデオ:日本一の育成上手な農家(9ヶ月授精)

生まれる前から注意 母牛の分娩前の栄養管理→たんぱく質、アミノ酸、ワクチン
食べてもいいような良質乾草をあたえる
生後2日目にスターター200g無理にでも食わせる→
平均18日離乳、1ケ月後は2.5kgスターター、カルシウム、
生後4,5ケ月では乾草、糖蜜0.7L。
要は徹底低に不安を与えない、声かける(3,4頭でも)、牛同士の相性、太りすぎに注意。
10ケ月で体高125cmにして授精を始める。初回分娩を20ケ月にする。


マイコトキシン吸着剤使用による乳房炎減少効果について

日置地区農業共済組合 安村悦朗

カビ毒が潜在性乳房炎の原因になっているのではないか?(20kgで2万円)

マイナス要因をなくして相対的に状態を改善しようとする考え方にもとづいている。
カビ毒は300種類にも及んでいる。
吸着剤もAB20→投与量が多い、ビタミンミネラルも吸着、マイコトキシンの種類が少ない  
マイコソーブ

結果

A農家(35頭)いい感じで推移→乳房炎おきたら抗生剤だが
H15は治らずやめようとしたが
H16では改善がみられた

U(80頭)いい感じで推移→乳房炎軟膏

F(55頭)やめたとたんに上昇し始めた→

つまり吸着剤を投与することで体細胞数は減り、乳房炎数も減少、平均診療回数も減少し効果がみられた
→投与していくことで下痢の発生も減り、増体もよくなる可能性がある。

実感として肝臓疾患が減ったと思われる、胃の中で吸着していくようだ

Q.カビはどこから?

A.乾草に生えている。海外から来る場合には機会が十分にある

Q.10g/日は少ないがどう投与する?便は?

A.便は改善し、薬剤は扇風機を止めて20gでも30gでも量りやすい量で投与してもらう。

乳量はわからなかった。

Q.その農家の繁殖の基礎値は?

A.別段悪い農家ではない。(担当 楢橋)



組織をどう動かすか  開業 山本浩通

うまくいってないときは「技術」、「人」、「仕組み」の問題がある。

技術を伝えようとして勉強して農家に話そうとするが、「人間」、「仕組み」の問題を抜きにしては解決しない。

○農場内で日ごろの作業で改善点、疑問点、不満(休み、モチベーション、話す場の有無など)

 例:従業員に不満、改善点などを毎日紙に書かせる。
次の日提出された内容を店の運営、経営などをみんなの前で提示し話し合う。個人攻撃をしない。

例2:全ての会社に共通するのは6Sの徹底。(整理、整頓、清潔、清掃、作法、しつけ)。
これで業績は確実に伸びる。松下政経塾も同様。
1、情熱、熱意、執念 
2、知的ハードワーキング(チームワーク) 
3、すぐやる 必ずやる できるまでやる(体細胞対策なども考えたらすぐやる)

経費削減を徹底的にやる。規模の大小は関係なく会社が汚れは指標となる。

→小さな変化に気づくようになる。良くなったまたは悪くなった変化を感じ取れるかどうかが直接経営に関係してくる(農場ではサイロのカビに気づくかどうか、それを改善しようとするかどうか)(牛の変化、メンバーの変化、牛舎環境の変化を感じ取れないとフィードバックできない)

例3:ダイエー再建でも何をすべきかは100%リストアップされていたがそれを体質上実行されなかった。

→農場では
1社長のリーダーシップ 
2.定期的ミーティング(意外とやっている農場は少ない) 
3.農場にコーチをつける(2と関連)

←強制と継続が重要でこれに懸かっている。この2つのキーワードを実行するために以上の3つが必要。

スタッフ12名農場

Q.経営者は経費削減(人件費)したい。それに向けてハードルを上げようとしており、改善に向かっているという社員の意識と離れている。

A.経費、収支を全部明らかにして提示する、社長が困っているのであればこうすればみなの意識を向けられ、理解されるのではないか。社長も頭ごなしで言うのではなく、また社員も社長の苦悩を理解しやすいようガラス張りにすれば良い。

ヘルニアネット、タミフル         鹿児島 松窪清一郎

ヘルニアネット

既製品が完成しました。Lサイズ、Sサイズがある。価格は5000円と4500円、

何回も使用は可能だが、耐久性に問題があるかもしれない。

インフルエンザの薬タミフル

鶏のインフルエンザ対策として国に在庫がある。今年の冬も流行の兆しがある。

タミフルは発症後2日間での使用が原則。薬価が高いです。病院で3割負担で購入可能。

ミルクが主因と思われる100日続いた下痢

鹿児島南農業共済組合 赤星隆雄



症状:生後10日前後になると子牛が下痢を多発

   連続12

   TPRなどの症状は軽度

症状;生後10日前後で子牛が下痢になる。

   軽度の眼球陥没

   泥状、水様便のみの症状

   3ヶ月下痢を繰り返す。

予防;踏み込み消毒槽

   5種下痢予防ワクチン、他ワクチン

   生菌剤、

   →全て無効

   治療の効果があまりみられない。

   母牛は健康

   メーカーを変更すると下痢が止まる

農場概要

   46歳くらいと80歳くらいの男性

   人工哺乳、全頭150くらい

経過日数

   ロタ、サルモネラは陰性だったが、二日後ではロタ、サルモネラが陽性になる。

   

発症年齢は7〜13日齢

  回復、再発、回復の繰り返し

  敷き藁を毎日交換、消毒槽、消毒なども行ったがあまり効果が見られなかった。

  予防対策はすべて無効!!

治療

  ダイメトン、バイトリル、ネオアス、デキサ、などいろいろと使用してみるが効果が薄い。

  何も治療しないと、眼球陥没などの症状があらわれてしまう。

考察

  ミルクのメーカーを代えると下痢がなくなった。→ミルクが主因ではないのか?

  下痢が減少したが子牛は病弱で下痢にかかりやすい。

普通の状態であれば活性炭を入れたりすれば、下痢は減少するはず、

Q原料のせいではないのか?植物性もしくは動物性?

A工場が幾つかあるのでそのせいでは?

Q断乳をして下痢は?

Aミルクをあまり飲まない牛は下痢にかからなかった、その個体がミルクを飲むと下痢を示した。

Qミルクの分析はできないのか?

A何を分析すればいいのか、はっきりと検討がつかない。

Qミルク中の成分が影響したのか?それともロタとかサルモネラが原因か?

Aロタやサルモネラはあくまで付随的、治療したら治るはず、ミルクを代えたら改善したのであくまでミルクが原因ではないか。

Q大量にそのミルクがでまわっているのか?

A13件くらいに出回っている、かなり大騒動になった。

Q発育は悪いのか?

A発育は悪くないが、ちょっとしたことで下痢になる。

Q死亡事故が起こったか?

A起こっていない。

あるミルク(植物性)を使用したら、子牛がことごとく肺炎を起こす。3年間で70頭死亡した。検査したところミルクが45度前後のお湯に溶けずにダマになってしまい、そのまま飲ますと誤嚥性肺炎になる。ミルクを代えたところ誤嚥性肺炎はなくなった。

最近のミルクは溶け易いミルクとの表示あり。

餌のロットにより下痢や関節炎が発生することがある。

最近の胚移植技術(野外での応用)、分娩監視システム

鹿児島大学臨床繁殖学教室 窪田


野外で使うためには目的、経済効果が期待できる。技術的には難しい。

繁殖技術(牛)

  人工授精、精子の凍結保存・・・・・発生工学

  凍結精子→胚移植→体外受精→顕微授精→受精卵クローン、体細胞クローンのように技術開発が進んできた。
クローンはまだ現場では使えない。

現場で使える胚移植技術は・・・。現場との協力による胚移植の開発・・・。

 供胚牛からのは胚回収

      脂肪酸カルシウム、万田酵素の使用。

      卵胞波、GnRH、FSHの使用

ETチャレンジ 

  北海道が多い!

  高くて70%の受胎率、何百頭規模で胚移植を実施→成績もいい。

新興牧場

  年間2000頭くらいETをおこなっている。

  黒からホルスタイン、赤毛などにET、生まれる産子はすべてETを行う。

OPU(経膣卵子採取)+IVF

 血統のしっかりしたドナーから卵子を取る、

 OPUのメリット

1本の凍結精液を複数頭のメス牛から回収した卵子に使用できる。

ホルモン処理が低用量

デメリット

 回収率と発生率

3.胚の冷凍保存

    ダイレクト法(ダイレクト融解移植法)世界中で80パーセントくらいしようされている。

            受胎率は40〜50パーセント

    卵子の形態、使用目的によって凍結法はいろいろと使われている。

    ガラス化凍結法

          高濃度の凍結剤(30パーセント以上)を使用、

          ハンドリングスキルが必要、できるだけ凍結液を減らすことがミソ。

          ストロー保存でないのでつめなおす必要がある。

          時間が短縮できる。低ランクの胚も凍結できる。

          90%の生存率が得られる。

          ストロー内希釈法、ダイレクト移植の開発が必要!

例)アメリカから中国に卵子が輸出している。ストローでは量が多くなりすぎる、ガラス化法では量が少なくてすむ。

4.胚移植

  ・カテーテル胚移植器

     子宮角まで硬い部分、チューブが子宮角の先端まで伸びて移植が可能になる。受胎率もいい。

フルニキシンメグルミンのET前投与

     移植のスキルが不安定、卵子が低ランクである場合には活用効果があらわれやすい。

5.性判別

     バイオプシーからPCR法によって判定、

     最近はバンド法(健濁法)の開発もすすんでいる。←目でみることができる。

     バイオプシー時に透明帯が障害されてしまっているので、あまりよくない。

      最近では透明帯にスリットをいれて、そこから流出した細胞を利用して性判別が行われている。この場合は凍結した場合でも胚の障害が少なくてすむ。

 DNA全体をランダムに増殖できる、これによって性別、遺伝病、肉質、増大量の遺伝子を見ることが可能になっている。

臨床繁殖の中に発生工学の技術をリンクさせていろいろとやっていこうと思っている。ご協力お願いしますとのこと。



四年前にシステムを考えて、三年前に組んだシステム

  牛分娩監視システムの開発

 生まれるか生まれないかが大事、夜中、休みのときは難しいときに使える。

 膣の中にプローブを入れて、それが外にでて32度以下になると携帯などに連絡がくる。

→すこし問題がある。

 インターネット環境があればどこでも牛が視角的にみることができるシステムが欲しい!

 WEBカメラ→カメラサーバー→インターネット環境によりみることができる。

 カメラは自由に動かすことができる。

 値段は当時、カメラ9万円、サーバーが20万円、あとはISDN以上の回線と100Vの電源が必要。だいたい子牛一頭の値段が必要。フレッツでつなぎ放題にすれば接続費はあまりかからない。

Qカメラの解像度はいいのか?

Aかなりいい。普通に電気屋さんで売っているのとは違う。

Qソフトは?

Aソフトはサーバーに一つついてくる、エクスプローラーでみることができる。

Q安くなっているのか?

A以前よりも良くなっている可能性もあるし、安くなっている可能性もある。

携帯に飛ばせるようなシステムを組んでいる途中。

Q時期をずらすことでオスの授精卵、メスの授精卵と取り分けは可能か?

A偏らせることはできるかも、過剰排卵でかたよらせることができるかもしれない。



世界乳房炎学会     鹿児島大学  浜名克己

世界乳房炎学会での話し。

カラーアトラスの紹介、獣医繁殖協議会の三宅先生が中心に作製した。なんと20l引きで。

乳房炎の本の紹介、、現場で役に立つ。製本代だけで。

次回の研究会の内容紹介。

韓国の牛病学会、5月に太田市というところで開かれる予定。

皆さんでいきましょう!

乳房炎研究の現状

国際乳房炎学会

10年に一度開催される。NMC;アメリカの乳房炎学会

日本からはわずか6名参加、うち獣医師は4名

オランダのマーストリヒト、中世の雰囲気漂う街、観光

MECC;すごく大きな会場で行われた。

発表数;基調講演13題

一般講演11分野97題

ポスター300弱

病因よ免疫などがメインであった。

サテライトシンポジウム
乳頭の侵襲。
その他会社主催の学者発表


IDFの歴史

第一回

イギリス24カ国150名の参加 Doddさんがデイッピングや体細胞数の基準50万を定めた。

                  今は20万が基準。当時は200万が普通。

ドイツ

イスラエル33カ国214名

スミスさんいわく・・・

乳房炎予防対策の進展

伝染性細菌(ストレプトコッカスとか)に対する制圧対策が進展、、黄色ブドウ球菌にはまだまだ

臨床型乳房炎の発生数は減っていない。淘汰も多い

治療技術や乳量の改善がほとんどすすんでいない。

生体防御機構の理解は大いに進んだが予防対策には生かされていない。

搾乳システムの問題、、乳頭管からの通過機構が未解明

遺伝的な選抜が一要因、、マーカーが見つかってきた。

乳製品の品質にも影響、、人の健康に影響する。

原因と乳腺の免疫

Zecconiさんいわく・・・

黄色ブドウ球菌のワクチンが開発されれば、、、いまだに成功せず。

菌のどの部分に病原因子があるのか未解明

抗体や免疫の防御機構の未解明

乳房内への抗体の輸送方法の未解決。

DNAワクチン

菌体のある部分から抽出したDNAに基づいたワクチン抗原

カプセル

アドシン

表面蛋白

トキシン

妨害因子

周産期における免疫能の低下

生殖器疾患、生産病、臨床型乳房炎によってさらに低下

経済的視点における乳房炎管理

OSterasさんいわく・・・

泌乳量の減少とか

乳房炎治療の新規抗菌剤

上の二つはセファロスポリン系

いずれも菌を取り出して感受性試験には効くが、生体に投与しても効かないことが多い。

いかに乳房に有効成分がいくか、、使い分けをしないといけない

搾乳技術

非常に進んできている。

自動離脱装置セットの変遷

搾乳時間の減少と、乳頭の状態の改善、絞りきるよりわずかに絞り残すようにセッテイングをゆるくした。

アメリカでは一日3回搾乳、24時間しているところもある。

乳頭の状態と健康

ガイドラインが作られている。

搾乳機械の乳房炎の影響

真空圧が問題となっている。乳小滴が乳頭口へあたって障害を与える?

設備重視から機能重視へ

搾乳ロボットの導入

牛乳一頭当たりの年間労働時間が300時間から50時間に

ID登録による個体識別、自動で生理的状態のモニターができるようになった。

92年にオランダで初めて開発された。

乳房炎が減ったり

労働時間が減ったり、

牛が自分で行くし、ID登録しているので搾乳回数の制限も可能

乳量の改善

動物福祉;5つの目標、5つの自由

イギリスの動物福祉委員会

飢えと渇きからの自由

不快からの自由

損傷、疾病からの自由

正常な行動をする自由

恐怖などからの自由

→スペースをどうするかとか、各国でいろいろ話されているし、認証するようなシステムが作られつつある。

北欧の現状

淘汰率30〜40l/年、、3産までいかない

高い有病率、乳房炎が50%に達することも

高い蹄病(イギリスで55%)

子牛の死亡率15〜20%

乳房炎の診断と乳質の指標

多頭飼育になってきて、新しい基準が必要ではないか?

ドイツでは体細胞数10万が基準で、まだ各国で受け入れられているわけではない。

乳房炎防止対策、ノルウェーの経緯

体細胞数を低値に保つこと

抗生物質の使用量を減らすこと

経費削減

乳製品への関心を高める

方法

発症例や体細胞数データの通知

正しい搾乳方法、搾乳システムの維持管理システムの指導

デイッピング、乾乳時治療の制限

10年間の成果

経費が半額に

その他の予防対策の進展

消費者の嗜好性が改善

コーネル大学の先生

いろんな菌はファージタイプで検定していくと、その作用場所や働きが多様である。

環境性の菌はひじょうに厄介である。

牛の抵抗性を高めること。

乳房炎が関連する遺伝的マーカー23番、22番とか




発情行動のスコア化

宮崎大学 上村

3時間ごと30分の観察、エコー観察

必ずしもスタンディングは多くなく、顎のせ、マウンティングなどが多い。

P除去後の排卵時間→

発情行動は飼養頭数、形態で変わってくる。3頭以上のほうがスコアも発情時間も延長する。

発情開始から排卵までは30.6時間発情時間が12時間。スタンディングが少ない!

→今回学生と本当か調べてみた

発情行動@スタンディング(開始後7時間)

    A休止期がある

    @発常時には頭から乗る(開始後7時間)

宮崎では今回1分ごとに観察して、3時間ごとにエコー観察(11項目)、記録は30分毎。

<結果>発情行動がみられると必ず休止期が存在し、数回に分けて行われる

30分毎に再スコア化してみるとロイロフのように発情行動が40%程度しかないようにみえる

→やはり本当に発情行動を観察するためには1分ごとの観察が必要である

11項目でみると非発情牛に比べて発情牛ではスタンディング、マウンティングなど項目が増えることで診断できる。

○Aの発情につられたDが発情、Dのペアの牛も発情期ではないが発情行動を見せることがある

→つまり…

乗られるのには社会的順位があり、けんかの強い牛が乗られる。(乗らせる)弱い牛は乗らせることができない

<まとめ>盛んに活動する時期をみれればよいが搾乳時間にあたったりしてみれないことがある

 休止期が存在すること

 社会的順位は発情行動に影響し上位牛は下位牛よりスタンディング回数が増える

3時間毎にエコ−でみてみると…

PG後の排卵時間はその時の卵胞波の状態成長具合による。PG後109時間後に排卵する場合もみられたが、これは黄体が退行したがDFが小さく時間がかかったと思われる

またPGに反応するのもしないのもある、退行せず回復した牛も見られた。

黄体が直腸検査で触診されても早すぎる場合にはPGが効かないこともある。

<まとめ>

PG後発情開始はその時の卵胞の状態により決定されるが、PG後の排卵時間は発情開始時期にあまり影響を受けずに排卵する。

<総まとめ>

スタンディング時間は平均2.5秒であり見逃す場合が多い。

したがって発情を的確に掴むためにはスタンディングだけでなく様々な発情行動をスコア化することでよりリアルに掴むことができるのではないかと思われる。

質疑応答

Q1.5日後種付けというのはいいのか?

A1.発情が一回起こると排卵までの時間は一定だから、発情兆候を観察するためにスライドにあるような多方面の行動観察を行いそれに基づくAIを行えばよい。

Q2.ST発情が良いがMTとSTを勘違いする人が多い。STが少ないのは観察が少ないから?

A2.そういうことです。90%以上はMTを示すからそれを指標とするのも悪くない。残りのついでに発情行動している牛が発情しているのでは無いことに注意を払う必要がある。STは短いし、見せない牛も多いので注意。

Q3.ミイラ胎児の摘出を行いたい。デキサ、エストリオール、PG打ってもエストラジオール10mlいれても出でこない。卵巣が掴めないので黄体退行は確認できず。

A3.3ヶ月以内であれば、微温湯を100ml子宮内注入すれば必ず出てくる。過去には頚管は開いてるが癒着した例がある。骨片だけ残っている状況では出にくいのであまり多く微温湯をいれて浸漬にしないことが重要。

Q4.気管支狭窄が競り市前だが治らない、食欲有り、2,3ヶ月から発症。

A4.イソパール(カプセル:50kgで1cap)、ネオフィリンをステロイドと併用で使ってはどうか?

肺炎は無いか?→少しあるがステロイドで引いた。

Q5.お産後、子牛が泡沫出して死亡するケースに遭遇。肺胞から気管支、気管、鼻腔にいたるまですべて泡沫で占められていた。泡沫なので気管に羊水が入ったのでは無いと思われる。

A5.息しないのには気管挿管し、ポンプで泡沫を吸い出すのも手。

臍帯が早めに切れて、出るまでに時間がかかり羊水を誤嚥したためではないだろうか?出生した時には溺れているが何とか生きているように見える。でも実際は溺れているのでその後死んでしまう。

8か9Frの気管挿入してサッカーでガンガン吸うのが良く、その後酸素を吸入させる。予定日まで90%以上いってない牛でもこの方法で生きさせることはできるが、抜くと死ぬので抜く時期が問題。ドプラムは2ml静注、3ml筋注すれば呼吸賦活するが一時的なもの。

―パラダイム転換により肥育成績が向上した1肥育農場の検討―

シェパード動物病院  蓮沼

<目的>

パラダイムの転換で成績・経営の改善を目的とし、その農場に会う確固たる自信と指針を確立したい

※パラダイム=イデア(プラトン)、ある事象のある理論の説明またはモデルのこと

        →自分の理論を決める

<例>問題肉質が悪い、枝肉小さい

これまでのパラダイム@肥えたては多いほど良い、牛が可哀想、臭い

パラダイムの転換@実際牛の気持ちは牛にしか分からないし問題なし

これまでのパラダイムA餌は食べきるようにさせる

パラダイムの転換A餌と藁が足りてないのではないか、ルーメンは大丈夫か、十分食べてない牛もいて飽食じゃない牛もいるので常に餌が入っている状態に

これまでのパラダイムBマニュアル道理にやる

パラダイムの転換B牛それぞれに個性がありマニュアルはないしマニュアル道理にはならない。牛と自分を信じるべき

これまでのパラダイムCどの牛も同じようにそろえる、素ウシのせいにする、牛の見た目を良くしなくてはならない

パラダイムの転換C産地・系統・月齢などが全く違うので揃えるのは非常に困難であり、牛にとってストレスのない環境をつくり、その個性をのばし、導入時の健康診断と予防接種を心がける

これらの転換後…→歩留まりAが少し増え、等級が上がった

         枝肉も400kgまで上がった

         BMSが5ある

         ノコクズも103,5000円削減

         犬のジョンと柵により狸に勝利

★    考えることは非常に大変なこと

★    全てに当てはまるものではない

★    獣医師に広い知識が必要である

などの課題はあるがパラダイムの転換を図ることで希望もみえることがある。

            −体験発表―

鹿児島開業 蔵前

★電子カルテ(疾病事故診断書作成システム)

 個体・生年月日・ナンバー登録しておく

→検索時に“蹄病or繁殖”のように表示され選択していく

→1カ月分まとめて表にして表示でき印刷にも便利

★症例

@肥育牛:輸送中に死亡、39.4℃で元気・痛覚なし、首をもたげるのでB1欠乏を疑う

→アリナミン、デキサ、補液を実施するが回復せず支持療法をあきらめ廃用へ

→剖検で環椎、首と咽喉頭間に膿を確認、腸リンパ軽度腫大、右目白濁

HE染色で膿部にリンパ球浸潤、結合組織増生

A骨折牛:沖縄から仕入れた200kg弱の去勢牛

船上で中足骨中位から開放骨折

B条虫:サナダムシ→ベネディクトの捻転条虫




「発酵床フリーバーンの紹介」     アース技研  植田 秋良

北海度 清和牧場  搾乳牛400頭 育成牛230

発酵牛床とは牛床そのものを発酵させて維持するシステム。

長所;コストが安い。

   ストレスの軽減、蹄病の減少、

   牛が長生きする。

短所;敷料代の負担が大きい。

   牛床の管理に手間がかかる。

ポイント;牛床の水分は7075%に保つ。

     生菌製剤の投与。

     扇風機の設置。

北海道の場合、、、いかに凍らせないかが問題。